saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第16章「二番目の質問」(05)


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二番目の質問 (05)

( それらは、神は 一つの工夫であり、あなたが自己を明け渡すことができるように、またあなたの明け渡しの 助けになるようにと 考えられた 一つの仮定だと言う )

 

だから、師は 神になり得る。 師は神だ。

師を神と 感じないかぎり、あなたは 明け渡せない。

明け渡しは、あなたが「マハヴィーラは神だ、ブッダは神だ」と 感じることで可能になる。

そうしたら、あなたは 簡単に明け渡せる。

ブッダが 神であるか、そうでないかは関係ない。

再び、それは 一つの工夫だ。

それは 役立つ。

ブッダは「あらゆる真実は、あなたが光明を得るのを 助けるための 一つの工夫であり、あらゆる真実は、ただ ひとつの便宜上のものにすぎない」と 言ったという。

もし それが機能すれば、それは 真実だ ! 

 

明け渡しの道においては 明け渡すことが 唯一の技法だ。

 

意志の道においては、数多くの技法がある。

それは、あなたが 自分を目覚めさせるために 数多くの努力が できる ということだ。

 

だが明け渡すだけの場合には、方法はない。

 

ある日、一人の男が ラーマ・クリシュナの所を 訪れた。

その男は ラーマ・クリシュナに 千枚の金貨を寄付したいと 志願してやって来た。

そこで、 ラーマ・クリシュナは その男に こう言った。

「私には そんなものは必要ない。 でも、あなたがそんな重たい荷物を、家から ダグシネシュワールの私の庵に 運んできたのなら、それをまた持ち帰るのはよくない −−− それは必要ない。

それじゃあ、今からガンジス川へ 行って、その金貨を捨ててきなさい」

 

そう言われた男は、たいへん困惑し、大いに 戸惑った。

どうしようか ?  彼は ためらった。

でも ラーマ・クリシュナは「あなたはその金貨を 私に寄付したのだから、もうその金貨は あなたのものではない。

そして、私があなたに 捨ててこい と 言っているのだ !

ガンジス川に行って 金貨を投げ捨ててきなさい ! 」と 言った。

そこで、彼は その金貨を捨てなければならなかった。

彼は ガンジス川へ行ったまま、帰って来なかった。

そして 一時間が 過ぎた。

 

ラーマ・クリシュナは 近くの者に「あの男は どこへ行ったかね ?  行って見つけてきなさい !」と言った。

そこで 何人かの弟子が 行き、その男 連れ戻してきた。

ラーマ・クリシュナは その男に「こんなに長い時間 どうしたんだ ? 何をしていたんだね ? 」と 聞いた。

すると その男を見つけた弟子が こう言った。

「彼は あの金貨を 数えてから、一度に一枚ずつ投げ捨てて いたんです −−− 一、二、三 −−− 千枚とも 彼は金貨を見て、それを数え、それから投げ捨てていました」

それを聞いた ラーマ・クリシュナは こう言った。

「なんと愚かな !  投げ捨てるなら 数える必要は ないだろうに。

貯めるなら、数える必要はある。

自分が どれくらい金貨を持っているか 数えなきゃならんだろう。

でも、 これから金貨を捨てるというときに、なぜ時間を無駄にするのかね ?

お前さんは、ただ 捨てたらいいんだ !」と。

 

明け渡し とは、 エゴを 捨てることだ。

そこには、数える ということも 方法もない。

あなたは ただ エゴを捨てる。

 

 

(05)終わり(06)へ 続く