saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第七章 「宝もの The treasure 」 (05)

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探求者こそ 探求されるべきもの、すると、宝は 自分の内部にあるのだと、すべての間違いは それを外部に求めていたことだとわかるだろう。
あなたは 宝を 外部に求めていたが、それは常に あなたの内部に、ここにあった。
あなたは違う方向を探していた。 それだけのことだ。


仏陀や バァル・シェムや モーゼやマホメッドのみならず、誰にでも そうであるように、あなたにも あらゆるものが手に入る。
あなたには あらゆるものが手に入る。
誤った方向を向いているだけなのだ。
宝物に関する限り、あなたが 仏陀マホメッドより貧しいことはない。
そう、神は貧しい人間を 絶対に造らない、造り得ない。
神はあなたを 自分の豊かさから造るからだ。
どうやって造るというのだろう ?
あなたは神から溢れ出たもの、その存在の 一部だ。
それなのに、貧しいなんてことがあるだろうか。
あなたは 豊かだ ーー 限りなく、神自身と同じくらいに。

だが、あなたは 誤った方向を向いている。
方向が違っているために 取り逃がし続ける。
だがそれは、人生で成功しないということではない、成功は し得る。
だが、 それでも失敗者となるだろう。
あなたを満足させるものはない。
なぜなら外の世界では、内なる宝物、内なる光、内なる平安、内なる喜びに 比するほどのものは、何 一つ達成できないからだ。



さあ、この物語だ。
これは とてつもなく意義深い。


ラビのブナムは、自分のところに来た若者たちに
ラビのエイシク ーー クラクフのラビ、イエケルの息子の話をするのだった
長年に亘るひどい困窮も
エイシクの神に対する信頼を揺るがすことはなかった
彼は夢を見た
何者かが、プラハの王宮に通じる橋の下にある宝物を探せと命ずる夢だ
三度その夢を見たとき、エイシクはプラハに出かけた
しかし、橋は昼夜見張られていたので、掘り始めようとはしなかった
それでも毎朝橋に行き、夕方まで辺りをうろうろしていた
とうとう、その様子を見ていた守衛の頭が
エイシクに、何か探し物をしているのか
それとも誰か人を待っているのかと優しく尋ねた
ラビのエイシクは、遠路はるばる、ここまで来ることになった夢の話をした
頭は笑った、「では、その夢を叶えるため
靴をすり減らしてここまでやって来たというのですか ! お気の毒に
夢を信じるにしても
もし私がその夢を見たのであれば、クラクフに行って
イエケルの息子であるユダヤ人、エイシクの部屋の
ストーブの下にある宝物を掘っただろう
それが、その夢のお告げだ
しかし、それがどんなものか考えてみたまえ
クラクフでは、ユダヤ人の半分がエイシクという名で、あとの半分がイエケルだ」
と言って再び笑った
ラビのエイシクはお辞儀をし、家に向かった
そして、自分の家の、ストーブの下から宝物を掘り出し
エイシクのシュルという名の、祈りの家を建てた


ラビのブナムはこう言い足すのだった
「この話を心に刻み、我がものとしなさい
この世のどこでも、ツァディック(マスター)のところでも探せないものがある
だがそれでも、探せるところがあるのだ」



この話で 最初に理解しておかねばならないのは、エイシクが夢を見ているということだ。
あらゆる 欲望は 夢であり、あらゆる夢は あなたを、あなたのいる場所から 連れ去る ーー それがまさに 夢の本性だ。

プーナで眠っていて、フィラデルフィアの夢を 見ることもあるだろう。
朝、あなたが目を覚ますのは フィラデルフィアではない。
あなたは プーナで目覚める。
夢の中では どこにでも行ける。
夢は現実ではないから、途方もなく自由だ。
夢の中では どこにでも行ける、月の上でも、火星の上にでも。
どんな惑星でも 選べる。
それは あなたのゲームだ。

夢の中では どこにでも行けるが、ひとつだけ 行けない場所がある。
あなたの いるところだ。
これが、夢見る意識について 最初に理解しなければならないことだ。
もしあなたが、あなたのいるところに いるなら 夢は存在できない。
そのときには、夢の存在理由、夢の意味がなくなる。
あなたが まさにあなたのいるところにいて、まさにあなたであるなら、どうして夢が存在できるだろう ?

夢は 自分から離れていくときにのみ 存在し得る。

貧しいあなたは、皇帝になる夢を 見るかもしれない。
凡庸なあなたは、特別な人間になる夢を 見るかもしれない。
地上を歩くあなたは、空飛ぶ夢を見る。
夢は 現実の曲解、現実以外の何ものかである他はない。

現実の中に 夢はない。
したがって、真実を知りたい者は 夢見をやめなくてはならない。



(05)終わり・・・(06)へ 続く