(12)
( だから、呼吸への 気づきを実践しなさい。
そうすれば、その気づきは 眠りの中にまで 浸透できるだろう )
もしくは、身体の動きに対する気づきを 実践することだ。
ブッダには、そのことを表す言葉が ある。
彼は それを「注意深くあること(マインドフルネス)」と 言った。
彼は「注意深く歩きなさい」と 言った。
我々は、何の気なしに 歩いている。
ある日、ブッダが 話していた時
ある男が ブッダの前に座っていた。
その男は、自分の足と 爪先を、必要もないのに動かしていた。 その動きには理由がなかった。
そこで ブッダは話を 止め、その男に聞いた。
「どうして自分の足を動かしているんだね ? どうして自分の爪先を動かしているんだね ?」
すると突然、その男は 動かすことを止めた。
そのとき、ブッダは その男に聞いた。
「どうして そんなに突然、動かすのを 止めたんだね ? 」
すると その男は こう言った。
「自分が 足と爪先を 動かしていることにさえ、気づかなかったからです !
自分で 意識していなかったのです !
あなたに聞かれた瞬間、気づいたのです」
ブッダは こう言った。
「何と愚かな !
自分の足が 動いているのに 気づかなかった ? あなたは自分の身体に何をしているんだね?
生きているのか、死んでいるのか、どっちなのだろう。
それは あなたの足だろう、あなたの 爪先だろう。
それらが動いているのに、気づきも しなかったのかね ?
あなたは何に 気づいているんだね ?
それだったら あなたは、人を殺して『私は気づかなかったのです』と 言える。
実際、人殺しする人間は、自分のしていることに 気づいていない。
自分のしていることに 気づいていれば、人殺しは できない」と。
ブッダは こう言っていた。
「進みなさい、歩みなさい、だが 意識に満ちて。
内側で 自分が歩いている と 認知していなさい」と。
(12)終わり(13)ヘ 続く