saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第17章「意識の完全なる開花に向かって」(10)

(10)

(ということは、アリストテレスは、フロイトによれば まったく間違っているということになる)

彼は、人間は 合理的な生物だと 言っていたからだ。

いいや、そうではない ! 

人間は 最も不合理な生物だ。 犬たちは もっと合理的だ。

あらゆる他の動物たちは、ある意味で 人間より合理的だ。

というのも、彼らの行動は 予測できる。

 

人間に関しては、予測不可能だ −−− 最も 不合理な生物だ。

人間は 当てにならない。

論理は数学的なものだからだ。

犬が あるやり方で行動を起こせば、こういうように 彼は行動し続けていくだろう と 予測できる。

 

だが、 人間は そうはいかない。

その上、人間は 合理的ではない。

人間の マインドの働き全体が、無意識だからだ。

 

人間は 恋に落ち、戦い、戦争に行き、お金を貯め続ける。

人間は 何の合理的理由もなく 心配し続ける。

人間は、最も いかれた動物だ。

唯一 例外的なことで 人間について確かなことがある。

それは、人間が 自分自身について 

本当はそうでないことを 信じている ということだ。

それが 人間ついての、唯一 例外的なことだ。

 

動物は現実に 即している。

彼らには どんな作り事も ない。

彼らは あるがままの 彼らだ。

 

人間は 夢見る動物だ。

人間は 夢を見て、その夢を 信じることができる。

人間は 自己催眠を かけることができる。

人間は 自分がイメージすることを 何であれ 

本当だ と 信じることができる。

だとしたら、人間が 無意識であることは 

もう単に 宗教的なことではない。

それは、科学的な事実として 明らかになっている。

 

インドの心理学は、西洋の心理学よりも 

遥かに 古い歴史がある。

 

西洋では、心理学は 生まれたての赤ん坊のようなものだ。

実際に、フロイトを父として 心理学が生まれて たった 一世紀しか 経っていない。

だが インドにおける心理学は 長い研究のなかで確立されてきた科学だ。

パタンジャリも 心理学者だし、ブッダも 心理学者だし、カビールも心理学者だ。

彼らを 一人の宗教家として見るよりも、一人の心理学者と見た方が いいだろう。

そうすれば 違う次元が明らかになり 

彼らが言うことを 本当に理解できるだろう。

 

ブッダは「気づきのみが、あなたを人間にする」と 言っていた。

さもなければ、あなたは ただの動物にすぎない。

ブッダ」という 言葉そのものが「覚者」という意味だ。

 

 

(10)終わり(11)ヘ 続く