saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第13章「在ることを通して越えていく」(04)

(04)

(…もしあなたが 外側へ行けば、非常に長い旅、果てしない旅を せざるを得ないだろう。

そして、その旅の終わりに 初めて “それ” に 触れることができる。

だから、科学は長い旅、ひどく長い旅だ )

 

エディトンは、彼の この世での最後の日に 初めて、そして、アインシュタインもまた彼の 最後の日に

「自分達は、宇宙の神秘そのものの一瞥にまでやって来た」と 感じることができた。

エディトンは

「私が この存在を研究し始めた時、この存在全体は 巨大な機械 −−− 巨大なる 機械としての存在、大きなメカニズムだと 思っていた。

しかし、もっと徹底究明しているうちに、だんだん機械のようでなくなってきた。

そして今では、深く研究すればするほど、自分のスタート時の考えから 遠く離れている状態だ。

そして 今、私には、この存在は 一種の機械というより、一種の 思考のように思える −−− より思考のようだ と」と 語ったそうだ。

 

この一瞥は 科学を通じて 訪れた。

科学とは “これ” を 研究調査することだ。

あなたが どんどん研究していくと、“これ” が 尽きる瞬間が やって来る −−− だが、 それは とても長い旅だ。

 

エディトンのようなマインドを 持つ者だけが 

その 一瞥を 得られる。

普通の科学者たちは 決して その 一瞥まで 至れないだろう。

 

アインシュタインのような マインドを持つ者だけが、“これ” の果てと “それ” の 一瞥に 至ることができる。

アインシュタインは こう語った、「宇宙とは、もはや自分にとっては 数学的な問題ではなく、ひとつの神秘になった」と。

が、数学を通じて この結論に至るのは とても長い道程だ −−− ひどく長い 旅だ ! 

数学的な計算を 通じて 彼は 全てが落ちるポイントに やって来た。

 

あなた方の数学は まったく馬鹿げている。

あなた方が する計算は 何の役にも立たない。

あなた方の 論理それ自体が、その 一瞥との遭遇で ただ 落ちてしまう。

あなたは もう考えられなくなる。

考えることが 不可能に なる。

思考には 一つの圏内が あるからだ。

思考とは、ある一定の枠の中で 

ある一定の パターンの中で のみ 働ける。

 

たとえば、なぜアインシュタインは 

数学を通して 宇宙の神秘を 感じるに 至ったのか ? 

数学とは 論理の次元の ものだ。

それは ある 一定の論理のパターンを通して 働く。

たとえば AはAで あり、BはBで ある。Bは 決して、 Aであることは できない。

それが 論理のパターンだ。

もし AがBで あることが でき、BがAで あることが できるなら、それは 数学ではなく、一種の 詩になる。

 

数学には はっきりとした ライン、区分が必要だ −−− 流動性ではなく。

もし Aが 移動して Bに なれるなら、数学は 不可能だ。

 Aは Aで なければならず、Aのままで なければならない。

Bは Bで なければならず、Bのままで なければならない。

それで 初めて、数学が 成り立つ。

そして、区分も はっきりしている必要が ある。

そこには、混同するものや 混乱を招くようなものが あってはならない。

 

アインシュタインは 数学を 研究していた。

だが、ある一定の地点から その難しさを 感じていた。

 

この五十年間、物理学は 以前には 決してなかったような 深い困難さを 感じている。

たとえば五十年前、物質は 物質だった。

Aは Aだった。 エネルギーは エネルギーだった。

Bは Bだった。

 

しかし この五十年間、物理学が 物理の 本質を突き詰めれば 突き詰めるほど、区分が 混然とし始めた −−− そして突然、物質が 完全に 消え去ってしまった。

それは どこにも 見当たらなく なった。

むしろ その反対に、エネルギーと物理のあいだの区分が まったくの 偽りであることが発見された。

物質は エネルギーである、 ということだ。

そこで、その区分に 依存していた数学全体、論理全体が、 ただ単に、崩れ落ちてしまった。

 

この、数学的でない 深奥な存在というものを どう 扱ったらいいものか ? 

もはや 物質は 存在しない ! 

 

そして、覚えておきなさい。

物質が もはや存在しなければ、エネルギーへの定義は 以前と 同じでは あり得ない。

 

昔は エネルギーとは 物質ではない という意味だった。

もはや物質は 存在しない。

では、 エネルギーとは 何か ? 

 

 

(04)終わり(05)へ 続く