saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第六章 生のアート The art of living (最初の質問)(01)

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最初の質問

愛する和尚、
あなたは 今日の講話で、ハシディズムの美点を賞賛しました。
でも、それほどに賞賛すべき、それほどに友愛 溢れるものでありながら、なぜ彼らは、宗教的活動、とりわけ宗教的な 歓喜の踊りから 女性を排除するのでしょうか。



プラティマからの質問だ。
とても意味のある質問だから、理解しておかなければならない。
心得ておくべき、つねに心得ておくべき 最も重要なことは、過去を 現在の基準から 判断してはならない ということだ。
そういうやり方は慈悲がない。
例えば、ハシディズムが生まれようとしていたとき、女性の宗教的な踊りへの 参加を認めることは不可能だっただろう。
ハシディズムの神秘家たちに そういう意識がなかったのでも、女性の参加を好まなかったのでもない。
神秘家たちは 参加してほしいと思っただろう。
だが、 それは不可能だった。

仏陀でさえ、女性を自分の教団に入れることを恐れた。
その恐れとは何だったのか。
仏陀は保守的な人間だったのか。
違う、彼より革命的な精神の持ち主など 探せやしない。
だが、 何年も 女性を教団に入れてはならない と言っていた。
その理由は 別のところに求めなくてはならない。

宗教は社会の中に 存在せざるを得ない。
もし社会が、あることに強く反対しているとしたら、創始者といえども いくらか妥協しなくてはならない。
さもなければ、宗教それ自体、存在できなくなる。
社会は 完全な状態にはない、あるべき姿にはない、だが宗教は この社会の中に、この社会が許す枠内に存在せざるを得ない。

革命は、その限界より 少し遠くまで行こうとした。
しかし、革命といえども さほど遠くへは行けなかった。
行き過ぎれば根絶やしにされるだろう。


例を挙げよう。
瞑想のときに あなたが裸になっても反対しない。
私は 反対しない。
本当のところ、私は賛成する。
なぜなら、衣服というのは 抑圧的な文化を構成するものであるからだ。
私は そのことを知っている、だがそれでも、瞑想のときは裸になるな と 言わねばならない。
瞑想すら できなくなるような問題を 引き起こすからだ。
それはひどすぎる。
たかが 服装や 裸の問題で、瞑想が まったくできなくなるのは馬鹿げている。
絶対的な自由、衣服からの自由をも認めることができれば 良かったのだろうが、それでは社会が 私たちの存在をまったく認めない。
私たちは 社会の中に存在せざるを得ない。
だから、より小さな悪を 選択しなければならない。

薬物の問題も取り挙げよう。
私は 薬物を支持しない。
だが 反対もしない。
私は ティモシー・リアリーを 支持しない、薬物でサマーディーに達し得るとは思わないからだ。
それについては 絶対的 確信を持っている。
オルダス・ハクスレーとか、他にも薬物の効果を語る人はいるが、それでサマーディーに達した人はいない。
安易すぎるし、化学物質で究極のものに達する 可能性はない。
けれども、薬物が 何かしら役に立つことも 承知している。
一瞥なら、真実は与えられないが 一瞥なら与えられるし、それが突破口になり得ることもある。
その 一瞥が、あなたを 過去から引き抜き、真実の探求へと 向かわせることもある。
神を見たらば、たとえそれが 夢の中であったにしても、あなたの生全体が変わるだろう。
もちろん、夢の中の神は 夢に過ぎない。
だが 翌朝、あなたは世界を覗き込むだろう ーー 夢で見たものは どこで見つけられるのだろう、と。


非常に多くの人々が、神、真理、サマーディーへの旅を始める。
どこかで、ある種の 一瞥を得たからだ。
薬物、性的絶頂、音楽を通じて得たのかもしれないし、ときには 偶然のこともあるだろう。
電車から 転落して頭を打ち、一瞥することもあるだろう。
それを手法として用いよと 言っているのではない !
だが、こういうことが起こるのは 知っている。
たまたま頭の あるセンターを打つと、人は 一瞥、光の爆発を得る。
その人は、二度と元の人間には 戻らないだろう。
今度は それを探し始めるだろう。
こういうことは 起こり得る。
漠然とした可能性が、もはや漠然としたものではなく、現実的な可能性と なったからだ。
何らかの暗示、何らかの繋がりを 得たのだ、もう休んではいられない。

私は 薬物に賛成しないが、反対もしない。
だがそれでも、この共同体、私のコミューンでは 許されない。
というのも、政治家は さほど知的であったためしがなく、彼らに 多くを期待すべきではないからだ。
実際、愚かな人間しか 政治には興味を持たない。
知的な人間であれば、政治には 一切関わらないだろう。

取るに足らない、些細なことで 運動全体が破壊されるわけにはいかない。
馬鹿げている。
百年後には、私が コミューンで 薬物を許さなかったことが反革命的と思われるだろう。
当然 私は、それが反革命的であると 承知している。
だから、記録に留めておきなさい。

ハシディズムのマスターたちは、そのことを よく知っていた。


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