saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第四章 「〈彼方〉から 」 (02)

(…これが祈りの、あるいは瞑想の 意味のすべてだ )

あなたは開く
あなたは「はい」と言う、「どうぞ」と言う
「私は ずっと待ちに待ってました、あなたが来てくださって感謝します」と言う
つねに 大きな喜びをもって 新しいものを受けいれなさい

ときとして新しいものが あなたに不都合をもたらしても、それは 価値がある
ときとして新しいものが あなたを どこかの溝へ連れて行っても、それは 価値がある
なぜなら、人は失敗を通して はじめて学び、困難を通して はじめて成長するからだ
新しいものは さまざまな困難をもたらす
だからあなたは 古いものを 選ぶ
それは どんな困難も もたらさない
それは慰め、庇護だ

そして ただ新しいものだけが、あなたを 変容させることができる
それが深く全面的に 受けいれられたならば だーーー


新しいものは、あなたが自分で生のなかに持ちこむことはできない
新しいものは 来 る のだ
あなたは それを 受けいれるか拒むかの どちらかだ

もし拒んだら、あなたは 閉じて死んでいる石のままでいる

もし受けいれたら、あなたは 一輪の花になる
あなたは 開花しはじめる・・・

そして その開花のなかに〈祝祭〉がある


新しいものが入って来る ということだけが あなたを変容できる
ほかに 変容の道はない
だが、憶えておきなさい
それは あ な た や あなたの 努 力 とは なんの関係もない
しかし、無為とは 行為をやめる ということではない
それは、あなたの過去からくる 意思、指向、衝動なくして 行為をする ということだ


新しいものの探求は ふつうの探求ではありえない
それは 新しいものを求める 探求だからだ
あなたに どうやって それを探求できよう ?

あなたは それを 知らない
あなたは まだ 一度も それに会ったことがない

新しいものの探求は ただ無制限な探求になる

人は 知らない
人は 無知の状態で 出発しなければならない
人は 可能性に胸を踊らせて、子供のように無邪気に 進まなければならない
しかも その可能性は 無限だ


新しいものを生み出すために あなたのできることは 何もない
なぜなら、あなたのすることは 何であれ 古く、過去からのものだからだ

だがそれは あなたが 行為を 止めなければならない ということではない

それは、あなたの過去からくる 意志、指向、衝動を抜きにして 行動する ということだ
過去からくる 意志、指向、衝動 を いっさい抜きにして 行動しなさい

それが 瞑想的に 行動する ということだ

自然に 起こるがままに まかせて、行動しなさい
瞬間 に 決定をまかせなさい


あなたは 自分の決定を 押しつけない
なぜなら その決定は 過去から生じるものだからだ

そして それは 新しいものを 破壊するからだ

子供のように ただ瞬間のなかに 動くがいい
完全に 現在の瞬間に 身をまかせるがいい

そうすれば、あなたは 日々、新しい開口部、新しい光、新しい洞察を 見出す
そして それらの 新しい洞察が あなたを変えつづける

そして ある日 突然、あなたは 自分が 一瞬一瞬 新しくなっているのが わかる
古いものは もう残ってはいない
古いものはもう あなたのまわりを 雲のように つきまとってはいない
あなたは 露の しずくの ようだ
新鮮で 若々しい


憶えておきなさい
ブッダは 瞬間から 瞬間へ生きる
さながら大海原に湧き上がる 雄大な波のように ーーー
大いなる喜びと 踊りを もって
星々にまで届こう という希望と夢をもって
その波は 湧き上がる

そうして しばらく瞬間をたわむれ、そのあと 波は消える

それは また現われる
それには また別の日が ある
それは 再び 踊り、再び 去って行く
神も またしかり ーーー

現われては消え、また現われては 消える

ブッダ意識も しかり ーーー

瞬間ごとに それはやって来て、行為し、対応し、そして 去って行く
それは 再びやって来て、また 去って行く
それは 原子的だ
二つの瞬間のあいだに ひとつの間隙(ギャップ)が ある
その間隙のなかに ブッダは 消える

私はあなたに ある言葉を言って、それから 消える
次に、私は 別の言葉を言って、そこにいる

それから 私は 再び消える

私は あなたに対応し、それがすんだら もういない
対応が 再びそこにあり、そして私は もういない
その 合い間、空間、その虚空が、人を完全に 新鮮に保ちつづける
なぜなら 死 だけが あなたを絶対に 生き生きと保つことができるからだ
あなたは 一度は死ぬ、七十年後には・・・




(02)終わり・・・(03)へ 続く