saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第四章 「〈彼方〉から 」 最初の質問 (01)

最初の質問
「何がまちがってしまったのでしょう ?
人々が、大きな喜びよりも むしろ恐怖をいだいて、
いやいやながら あらゆる新しいものに出会うのはなぜでしょう ? 」



新しいものは あ な た からは 生まれない
それは 彼 方 な る も の から来る
それは あなたの 一部ではない
あなたの 全過去が危うくなっている
新しいものは あなたとは連続していない
それゆえの恐怖ーーー

あなたは ある生き方で 生きてきた
あなたは ある考え方で 考えてきた
あなたは 自分の信念をもとに 居心地のよい生活をつくってきた

それから 何か 新しいものが ドアをノックする
いまや、あなたの過去のパターンすべてが 掻き乱されようとしている
新しいものが入るのを許したら、あなたは 二度と同じではなくなる
〈新しいもの〉が あなたを変える


それは危険だ
新しいものと 一緒だったら、どこでどうなるか わかるものではない
古いものは既知のもの、なじみ深いものだ
あなたは 長いあいだ それと共に生きてきた
あなたは それに親しんでいる
新しいものは なじみがない

それは友かもしれないし、敵かもしれない
誰にも わからない
それを知る すべはない
知るための唯一の方法は それを許すことだ
それゆえに 懸念や恐れがある


そしてあなたは それを拒絶したままでいることも できない
なぜなら、古いものは あなたが求めているものを いまだ与えていないからだ
古いものは 約束してきたが、その約束はまだ果たされていない
古いものは なじみはあるが 惨めでもある

新しいものは 不快なものかもしれないが、可能性はある
それはあなたに 至福を もたらすかもしれない
だからあなたは それを拒むことはできないし、受けいれることもできない
それゆえに あなたは迷い、おののく
深い苦悩が あなたの存在のなかに 湧き上がってくる
それは 自然なことだ
何も まちがってしまったわけではない
それはいつも そのようにして 存在してきた
それはこれからも かならずそのようになる


新しいものの出現を 理解しようと試みなさい
この世の誰もが 新しくなることを 望んでいる
古いものに満足している人は 誰もいないからだ
誰も古いものには 満足できない

それが何であれ、あなたがそれを 知ってしまっているからだ
ひとたび知ってしまったら、それは繰り返しになる
ひとたび知ってしまったら、それは退屈になり、単調になる
あなたは それを 取り除きたい
あなたは探検し、冒険したい
あなたは 新しくなりたい

にもかかわらず、新しいものが ドアをノックするとき
あなたは しり込みし、引き下がり、古いもののなかに 隠れる
これは 板ばさみ(ジレンマ) だ


どうしたら 新しくなれるのだろう ?

そして誰もが 新しくなりたがっている
勇気が必要だ
ただの勇気ではなく、ただならぬ勇気が 必要だ

世界は 臆病者でいっぱいだ
だから 人々は 成長するのを やめてしまった
臆病だったら どうして成長することができよう ?

新しい機会が やってくるたびに、あなたはしり込みし、眼を 閉じる
どうやって 成長できよう ?
どうやって 在 る ことができよう ?

あなたは ただ 在 るふりをしているだけだ

あなたは、成長できないから、成長の代用品を 見つけなければならない
あなたは 成長できないが、あなたの銀行預金は「成長」することができる
それが 代用品だ
それには どんな勇気も いらない
それは あなたの臆病さに まさにうってつけだ

銀行預金が成長しはじめると、あなたは 自分が成長していると思いはじめる
あなたは 前よりも立派になる
あなたの名前や 名声が高まる
あなたは 自分が成長していると 思うかね ?

あなたはただ 自分を だましているだけだ
あなたの名前は あなたではない
あなたの名声も あなたではない
あなたの銀行預金は あなたの存在(ビーイング)ではない
だがその存在のことを考えると、あなたは 震えはじめる
そこでの成長を望むなら、あなたは臆病さを すべて落とさなければならないからだ


私たちは どうすれば新しくなれるのだろう ?

ひとりでに 新しくはならない
新しさは〈彼方〉から来る、神からと 言ってもいい
新しさは〈存在 (イグジステンス)〉から来る
マインドは つねに古い
マインドは けっして新しくなれない
それは 過去の集積だ
新しさは 彼方から来る
それは 神からの贈り物、彼方からのもの、そして彼方のものだ


未知なるもの
不可知なるもの
彼方なるものーーー

それが あなたのなかへ入って来た
それが入ってきたのは
あなたがけっして封じこめられたり、離ればなれになったりはしていないからだ
あなたが孤島ではないからだ
あなたは〈彼方〉を 忘れてしまっているかもしれない
が、〈彼方〉は あなたのことを 忘れてはいない
子は 母を 忘れてしまったかもしれないが、母は子を 忘れてはいない

部分は「私は分離している」と 考えはじめているかもしれない
だが、〈全体〉は あなたが 分離していないことを知っている

〈全体〉は すでに あなたの なかに 入っている
それは依然として あなたと触れ合っている
だから、あなたが歓迎しなくても、新しいものが 現われつづける
それは 毎朝やって来る
それは 毎晩やって来る
それは 千と一つの入り方で 入ってくる
あなたに見る眼があれば、それが たえず自分のところへ やって来るのが見える


神は あなたの上に 降り注ぎつづけている
だがあなたは 自分の過去のなかに 囲い込まれている
あなたは 一種の墓場のなかに いるようなものだ
あなたは鈍感になっている
臆病のせいで あなたは感受性を 失っている
感受性がある ということは 新しいものが感じられるということだ
新しいものに対する スリル、新しいものに対する 情熱・・・
そして 冒険が生まれる
あなたは未知なるものに向かって 進みはじめる
自分では どこへ行くのか わからないままにーーー


マインドは それは気違いじみていると考える
マインドは 古いものから離れるのは合理的ではないと思う
しかし 神は つねに新しい
だから私たちは 神に過去時制や 未来時制を用いることができない
私たちは「神は存在した」とか「神は存在するだろう」とは言えない
ただ「神は存在する」と現在時制を 用いることしかできない
それはつねに新鮮で純潔だ
そしてそれは すでにあなたのなかへ入っている


憶えておきなさい
あなたの生のなかに入って来る 新しいものは何であれ 神からのメッセージだ
それを受けいれるなら あなたは宗教的だ
それを拒むのなら あなたは非宗教的だ
新しいものを受けいれるためには、人は もう少し くつろぐ必要がある
新しいものを 内(なか)に 入れるためには、人は もう少し 開放的になる必要がある
道を譲って、神があなたのなかへ 入るがままにまかせることだ


これが祈りの、あるいは瞑想の 意味のすべてだ



(01)終わり・・・(02)へ 続く