saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第6話 ーーー Q&A 最初の質問 (12)


五番目の扉は 自己イメージだ

子供は 物事や さまざまな経験に 目を向けはじめる
両親がその子に 好感を抱いているときには
彼は「自分は いい子なんだ」と 考える
彼らが 頭を撫でてくれるときは
彼は「自分は いい子なんだ」と 感じる

彼らが怒りを含んだ目で 見るとき
彼らが どなりつけるとき
そして,彼らが「そんなことをしちゃいけません !」と 言うとき

子供は「自分のどこかが いけないんだ」と 感じる
彼は あとずさりする


ある小さな子供が,学校に入学した初日に 聞かれた
「あなたの名前はなんですか ?」

彼は言った「ジョニーいけません」ーーー
先生は わけがわからなかった
「ジョニーいけません ?
そんな名前 聞いたことはないわね !」

彼が言うには
「いつ何をやっていても
これがぼくのお母さんが呼ぶ 名前なんです
『ジョニーいけません !』
お父さんも どなります
『ジョニーいけません !』
だからぼくは これが自分の名前だと思っているのです
いつでも “いけません” が くっついてるんですから
何をやっていようと関係ないんです」


五番目は
そこから道徳が はいってくるところの 扉だ
あなたは 道徳家になる
あなたは とてもいい気分になりはじめる
「自分の方が 上だ」ーーー
あるいは また
欲求不満だったり,抵抗したり,もがき苦しんだりすると
あなたは 不道徳人間になって 全世界と争いはじめ
世界に 見せつけようとする


ゲシュタルト療法(セラピー)の 創始者である フリッツ・パールズが
彼の 一生の 仕事のまさに基盤となった ある体験について書いてある

彼は精神分析医として アフリカで開業していた
そこでは彼が ただひとりの精神分析医だったので
商売は とても繁盛していた

彼は 大きな車や 庭園や
プールつきの大きな屋敷を持っていた
とにかく 平凡な心(マインド)が 持ちたがるものは 何もかも ーーー
中産階級の贅沢だ

ちょうど その頃
彼は 世界精神分析会議に参加するために ウイーンへ行った
もちろん
彼はアフリカでは それほどの大成功を おさめていたから
当然 フロイトが自分を認めてくれる
大歓迎してくれる と 思っていた

そして,フロイト
精神分析医たちにとっては 父親的な位置を占めていた
つまり,彼は フロイトに 頭を撫でてもらいたかったのだ
彼は 論文をひとつ書いて
それに 何か月という時間をかけた
フロイトに 自分が何者かを 知ってほしかったからだ
彼は 論文を読み上げた
ところが 何の反応もなかった
フロイトは とても冷たかった

ほかの精神分析医たちも 非常に冷たかった
彼の論文は ほとんど認められずじまい
誰の口にも のぼらずじまいだった

彼はひどいショックを受けた
意気消沈してしまった
が,それでも彼は
フロイトに会いに行けば 何か起こるかもしれないと 望みをかけていた

そこで彼は フロイトに会いに行った
すると,彼が ほんの玄関の 階段のところにいて
まだ敷居も またがないうちに
ふと見ると フロイトがそこに立っている
そこで,彼はフロイトに ちょっと印象づけるつもりで
「私は 何千マイルも遠くから やって来ました」と きりだした

すると彼を 歓迎するどころか

フロイトは「で,いつ帰るの ? 」と 言う

それが彼を ひどく傷つけた
いくらなんでも こんな歓迎のしかたはない
「いつ帰るの ? 」ーーー
そして それが 会見のすべてだった
お終い !

彼は 踵(きびす)を返すと
頭の中で マントラのように 絶え間なく くり返していた
「目にもの見せてやる
目にもの見せてやる
目にもの見せてやる ! 」

そして,実際 彼は 目にもの見せようと がんばった
彼は 精神分析に対立する 大運動を起こした
それが ゲシュタルト療法だ


これは 子供っぽい反動だ
子供が 受け容れられると
彼は 気分をよくして,両親の望むことなら 何でもやろうとする
もし 何度も何度も 欲求不満にさせられると
そのときには 彼は こんなふうに 考えはじめる
「ぼくが彼らの愛を 得られる可能性は何もない
だけど,それでも彼らの注意を引く 必要がある
もし正しい注意の引き方が できないんなら
間違った引き方を してやる
こうなったら タバコを吸うぞ
自慰をするぞ
自分にも他人にも 害をなしてやる
そして,彼らが『やるな』と言うことなら 何でもいい
あらゆる種類のことを やってやる
とにかく ぼくのことで手一杯に させておくんだ
彼らに 思い知らせてやる 」


これが第五の扉
自己イメージだ
罪人と聖人は そこに引っかかっている
天国だの 地獄だのというのは
そこに 引っかかっている人たちの 思いつきにすぎない



(12)終わり・・・(13)へ 続く