saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第4話ーーーQ&A 最初の質問 (02)

…(私の友人のひとりが そういう目にあった)
彼は精神病院に入れられた
裁判所に 9か月間の 入院を言い渡されたのだ
6か月後・・・
彼は 実際に気が 狂っていた
それだからこそ できたのだが
彼はトイレで 大きなビンに はいった石炭酸を 見つけると
それを飲んでしまった

15日の間,彼は 下痢と嘔吐に苦しんだ

そして,その下痢と嘔吐のため 彼は世の中に 復帰できたのだ
彼の 全身の組織が浄化され
毒素は 消え失せてしまった

彼が私に 話してくれたところによると
それからの 3か月は 一番大変だったという
「最初の 6か月は ビューティフルなもんだった
なぜなら,ぼくも気が狂っていたし
誰もが 狂っていたからね
物事はただただ ビューティフルに いっていた
そこには 何の問題もなかった
ぼくは 自分のまわりの狂気全体と ピッタリ同調していたんだ」

彼が石炭酸を飲んでからの その15日間の下痢と嘔吐で
どういうわけか,偶然 彼の組織は浄化され
彼の胃も 浄化されてしまった
彼は その15日間 何も食べられなかった
あまりにも 吐き気がひどくて
断食せざるを得なかったのだ
そして,彼は15日間 ベッドで休んでいた

その休息が,その断食が
その浄化が 役に立った
それは 偶然の出来事だった
そうして,彼は 正気に戻った
彼は 医師たちのところへ行くと
「私は 正気に戻りました」と 話した
彼らは みんな大笑いして
「みんな そう言うよ」と 言う
言い張れば 言い張るほど,彼らも
「君は 狂っているんだよ
どの狂人も そう言うんだから
さっさと行って 自分の仕事をやりなさい
裁判所の命令が来るまでは 退院させてもらえないよ」と 主張した
「それからの 3か月は 大変なもんだった」
彼は言う
「悪夢みたいだったな !」
何度となく 彼は自殺を考えた
だが,彼は 強靭な意志の持ち主だ
それに,問題は 3か月だけだった
彼は 待つことができた

それは 耐え難いもので
ある人は 彼の髪を引っぱり
ある人は 彼の足を引っぱり
ある人は いきなり彼に 飛びかかる
そのすべては最初の 6か月も続いていたのだ
だが,彼も その一部だった
彼も 同じことを やっていたのだ
彼は その狂った社会の 完全な一員だった
けれども,最後の 3か月
それは 信じ難かった
なぜならば,彼は正気で
ほかの全員が 狂っていたのだからーーー


この神経症的な世界にあっては
もし あなたが正気だったら,敏感だったら,知性的だったら
あなたは 気違いになるか自殺をするか
あるいは サンニャーシンになるかの どれかしかない
ほかに 何がある ?


この質問は ジェーン・ファーバーからだ
彼女は ボーディチッタ (西洋人サンニャーシン)の奥さんだ

彼女は正しいときに 私のところへ来た
彼女はサンニャーシンになって,自殺を回避することができる
東洋では,自殺というものは そんなに存在しない
なぜならば
代わりにひとつ サンニャースというものがあるからだ
あなたは正々堂々と ドロップアウトすることができる
東洋は それを受け容れる
あなたは自分自身のことを やりはじめられる
東洋は それに敬意を払う
それがゆえに,インドとアメリカでは 5倍もの差がある
インド人が 1人自殺するのに,アメリカ人 5人が自殺をする
そして,自殺という現象は アメリカでは どんどんと増大しつつある


知性が 伸びている
感受性が 伸びている
ところが,社会は 鈍い
そして,社会は知性的な世界を 提供してくれない
そうしたら どうする ?
ただ不必要に 苦しみ続けるのか ?


当然,人は考えはじめる
「なんで 全部やめちゃわないんだ ?
なんで お終いにしちゃわないんだ ?
なんで神様に 切符を返しちゃわないんだ ? 」ーーー

もしアメリカで サンニャースがひとつの大きな ムーヴメントになったら
自殺率は 降下しはじめるだろう
なぜならば
人々は はるかに上質な
創造的な ドロップアウトの代案を持つことになるからだ
ヒッピーたちが自殺を犯さないのを観察したことがあるだろうか ?
自殺が より横行しているのは
スクウェア(体制的)な世界,因習的な世界の話だ
ヒッピーというのは ドロップアウトしている
彼は 一種のサンニャーシンだ
まだ自分が 何をやっているのか完全には 気づいていない
だが,正道に いる
よろめいて 手さぐりではあるけれども
正しい方向には進んでいる
ヒッピーは サンニャースの はじまりだ

ヒッピーは こう言っている
「自分は この腐ったゲームの 一部にはなりたくない」
「自分は この政治ゲームの 一部にはなりたくない」
「自分は 物事が見える
そして,自分は自分なりの 生き方をしたい
自分は 誰の奴隷にも なりたくなんかない
自分は どこの戦場でも殺されたくなんかない
自分は 戦争なんか したくない
同じやるなら ずっとビューティフルなことが いろいろある」ーーー


しかし,何百万という人々にとっては 何ひとつない
社会は 彼らの成長の あらゆる可能性を奪ってしまった
彼らは 身動きできない
人々が自殺するのは
彼らが 身動きできない感じを持っていて
その上,そこから脱け出す道が 何ひとつ わからないからだ
彼らは 行き止まりに来てしまう
それも,あなたが 知性的であれば あるほど
それだけ早く あなたはその行き止まりに
その袋小路に来るだろう
そうなったときに どうしたらいい ? ーーー

社会は 何ひとつ代案を 与えてくれない
社会は それに取って代わるべき社会を許そうとしないのだ

サンニャースというのは
現行の社会に取って代わるべき ひとつの新しい社会だ
インドにおける自殺率が 世界一低いというのは
ちょっと奇妙に見える
倫理的に言えば,それは最高であってしかるべきだ
人々は 苦しんでいる
人々は惨めで,飢えているのだからーーー

しかし,この奇妙な現象は あらゆるところに見られる
貧乏人は 自殺しないのだ
彼らには 何も生きるべきあてがない
彼らには 何も死ぬべきあてがない
飢えに 苦しんでいるために
彼らは,食べ物や ねぐらや お金のようなもので 頭が一杯になっている
自殺など 考えるゆとりがない
彼らは まだそこまで裕福ではないのだ
アメリカには すべてが ある
インドには 何もない


ついこの間,誰かが こんなことを書いているのを読んだ
アメリカには 笑顔のジミー・カーター
ジョニー・キャッシュ(人気歌手)と ボブ・ホープ(喜劇俳優)が いる
が,インドには
ひからびた鈍い死んだような ムラジ・デサイ(前インド首相)が いるだけで
現金(キャッシュ)もなければ,これっぽっちの希望(ホープ)もない」


だが,それでもインド人は 自殺を犯さない
彼らは 生き続ける
彼らは 人生を 楽しんでいるのだ
乞食たちでさえも ワクワクして興奮している
興奮するべきことなど 何ひとつあるわけじゃない
しかしなお,彼らには希望がある



(02)終わり・・・(03)へ 続く