最後の、そして最も重要な質問
愛する和尚、
なぜ ユダヤ人は鼻が高いのでしょうか。
さぁ、怖がることはない。
私は 長い話、九十分の話をするつもりはない。
いや、しない。
答えを知っているからだ。
答えを知らないときは 長い答えを与えなければならない。
わかるね、だから私は とても長い話をしているのだ。
答えを知らないときは、長く話さなくてはならない。
私が話しているうちに あなたは質問を忘れる。
だが答えを知っているときは、その必要はない。
私は 答えを知っている、たまたま知ったのだが。
どのようにして その答えを知ったのか ーー あなたに話しておかねばならないだろう。
ある日、ほんの 二、 三日前だが、朝早く ヴィヴェックが 私にこの質問をした。
「なぜ、ユダヤ人の鼻は 高いの ? 」。
私は いつものように 椅子に腰を下ろした。
気持ちの良いタオルを用意し、時計を眺め、ユダヤ人の鼻についての哲学的、心理学的、長大な講話を 始めようとするところだった。
だが そのとき、ヴィヴェックが それを察し、心配しだした。
当然だ、いったん私が飛び立ったら 再び地上に降りて来るまで 最低九十分は かかるからだ。
それで彼女は言った、「やめて ! やめて ! 答えがわかったの、教えてもらう必要はないわ !」
もう 飛び立っていたので、私は とても驚いた。
「空気が た だ だからよ !」と ヴィヴェックは 口早に言った。
その答えは 美しい、私は とても気に入った。
それは すべてを説明する。
ユダヤ人の 鼻が高いのは 空気が た だ だからだ !
今日は これくらいにしよう。
第六章 最後の、そして最も重要な質問 ・・・終わり、「第七章 宝もの」へ 続く