saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第1話ーーー七段の梯子 (10)

もしあなたが,よろこんで折れることができたなら
それは〈明け渡し surrender 〉になる
そうしたら,それはもう負けじゃない
それはひとつの勝利だ
あなたは神の側についてこそ勝利できる
けっして,神に対立してはできない
そして,覚えておきなさい
神はあなたを負かそうとなどしてはいない
あなたの敗北は自己発生的なものなのだ
あなたが負けるのは,あなたが戦うからにほかならない
もし負けたかったら,戦うがいい
もし勝ちたかったら,明け渡しなさい
これはパラドックス
折れる用意のできた者が勝者になる ーー
敗者だけが このゲームの勝者なのだ
勝とうとしてごらん
そしたら,あなたの負けは絶対に確実だ
それはただ,いつかという時間の問題にすぎない
だが,それは確実だ
それは起こらずには済まない


それは神聖(holy) だ
あなたが〈全体 whole 〉とひとつだから ーー
あなたはそれと一緒に脈打つ
あなたはそれと一緒に踊る
あなたはそれと一緒に歌う
あなたは風に舞う木の葉のようなものだ
木の葉は ただただ風とともに踊る
自分の意志など持ってはいない
この 無意志性こそ,私がサンニャースと呼ぶものなのだ
この経文が 聖なるもの と呼ぶものなのだ


“ 聖なるもの(holy)” のサンスクリット語はバガヴァティ(bhaga−vati)だ
この方が “holy” よりもさらに深く理解されるべき重要な言葉だ
というのも,“ 聖なる (holy) ” には
何かしらキリスト教の匂いがまとわりついているからだ
バガヴァティ (bhagavati) ーー
バガヴァティはバガヴァン (bhagavan) の女性形だ
まず第一に,この経文はバガヴァンという言葉を使わない
その代わりに,女性形のバガヴァティを使う
なぜならば,一切の源は〈女性〉だからだ
〈男性〉じゃない
それは陰であって,陽ではない
それは〈母〉だ
〈父〉じゃない



(11)へ続く