(09)
( そして、エゴが 何かに全面的に在ることは、絶対にあり得ない。
それは 常に断片的で 分裂している )
どういう在り方でもいいから、全面的で 在りなさい。
そうすれば、エゴは 蒸発する。
そして、エゴがないときに、初めて、あなたは 自己の 真実の中心に 気づく。
私は それを 中心を定める(センタリング)と 言う。
グルジェフは 結晶化と言った。
言葉は たいして問題ではない。
このセンタリングを 通して、あなたは 一個の実存になる。
このセンタリングを 通して、存在のなかに生きる。
このセンタリングが 起こる前は､ あなたは存在ではなく､ 社会の 中に 生きている。
このセンタリングが 起こる前は
あなたは 文明の 一部、文化の 一部だ。
あなたは 言語の 一部であり、宗教の 一部であっても 存在の 一部ではない。
このセンタリング以前には
あなたは 人間が作りあげた社会に 生きていた。
このセンタリング以前、あなたは「これ」に属していた。
だが一度、あなたが統一されれば、彼方なるもの、作られたものでないもの、永遠なるものである “それ” に 属することになる。
そうすれば、あなたは 源に至る。
それを 神と 言ってもいいし、魂と 言ってもいい。
好きなように 言っていい。
ウパニシャッドでは、そのことを “それ” と 言う。
それは 生まれないもの であり、死なきもの、存在するもの だ。
このセンタリングは可能だ、不可能ではない。
それは不可能のように 思える。
不可能のように 見える。
エゴによっては 不可能だ −−− あなたにとって､ ではない。
それは エゴには 不可能だ。
エゴは センタリングを達成できない。
センタリングを 達成することで､ エゴは 死んでしまう。
古いヨーガの経典には「師が 何を言おうと それを聞き、従え。 なぜなら、彼は あなたの自己だからだ。 何であれ 彼の言葉は あなた自身の 内側の声だ」と 書かれてある。
それらには、真の教師、真のグルは
あなたの 中に存在する と 書かれてある。
あなたの 外にいる師は、あなたの内側の師を 目覚めさせるための 一つの助けでしかない。
実際、師に 明け渡すことが、自己に明け渡す ということだ。
(09)終わり(10)へ 続く
