saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第14章「事実との直面」最初の質問 (08)


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(08)

(…二つ目の方法は、意志を 作り出すことだ。

もし あなたが 意志を作り出せば、エゴは消え去る −−− )

 

唯一、自己だけが意志を発揮できるからだ。

そこで、あなたが 意志を発揮し始めれば、意志を 打ち出せば、だんだんとあなたは 内側に 入っていく。

エゴには、意志を働かせることはできない。

もし あなたが意志を 打ち出していくなら エゴは 消え去ることになる。

 

そして明け渡しとは、一つの根本的な道 −−− 献身者たちの道だ。

そして、こつこつ努力すること、意志は、二つ目の 根本的な道 −−− 武士、 戦士の道だ。

それぞれの道で 多くのテクニックが あるが、根本的には、次のことだ。

 

グルジェフは二つ目の道 −−− 意志の道を 使っていた。

彼は それを結晶化と 言っていた。

彼は「もしあなたが 意志を働かせば、徐々に あなたのセンターの中で結晶化するだろう」と言っていた。

 

エゴは、意志を伴った意識と ともには 存在できない −−− それは存在できない。

グルジェフは、実に奥深い方法を、内側の統合のために使っていた。

彼は 次のように語った。

たとえば「七日間、眠るな。 何が起ころうと眠るんじゃない」と。

 

あなたは 七日間、食べないでも 平気でいられる。

そんなに 難しくない。

しかし、七日間 眠らないでいることは、とても難しい。

七日間 食べないでいることは、それほど難しくない。

人間は 少なくとも、九十日間は 何の危険もなく 食べずに 生きていられる。

 

が、九十日間 眠らないでいるのは 難しい。

食べることは 自発的なことだ。

あなたは 食べることもできるし、食べないでもいられる。

が、睡眠は 自発的なことではない。 それは 非自発的だ。

やって来るか 来ないかの、どちらかだ。

眠りを もたらすことはできない。

自分を 無理やり 眠らせることもできない。

 

だが、食べないでいることや、もっと食べることなら、自分に 強いることができる。

それは 自発的なことだ。

が、睡眠は 自発的な現象ではない。

眠るようにと、自分に強いることは できない。

眠りが 訪れたら、自分のエゴでは 起きていられない。

でも、頑張ることはできる。

あなたは「何があっても俺は寝ない。死んでも 眠らない」と 言うことはできる。

 

グルジェフの 弟子の長だったウスペンスキーは 死に際しても、横に ならなかった。

彼は 絶えず 歩き続けていた。

彼は 死のうとしていた。

彼は、死が たった今やって来つつある、と 気づいていたが、横にはならなかった。

医者たちは 横になるよう強く諭し、説得したが、彼は 横にならなかった。

そして、彼は 言った。

「いいや、私は 歩きながら死ぬ。

意識的に死ぬんだ」と。

彼は、死でさえも意志を作り出すために 利用した。

そして、彼は 歩きながら死んだ。

彼は 人類の歴史全体の中で、歩きながら −−− 意識的に死んだ 最初の人間になった。

彼の内側で 何が起こっていたのか よく考え、瞑想してごらん。

それは 単なる眠りではない −−− それは死だ。

 

彼は、死に際しても 明け渡すつもりはなかった。

これは 反明け渡しの道だ。

死に際しても、明け渡すつもりはなかった。

彼は闘い続けた。

彼は 三日三晩 歩き続けた。

身体は とてもひどい状態で、年老いていた。

彼を ずっと見守り続けていた人達は、彼に ついていけなかった −−− 彼らは 眠らずにいられなかった。

そこで、誰かが眠り、誰かが彼を 見守っている という状態だった。

グループの十二人は、絶えず 彼を監視し続けたが、彼は 三日間、昼も夜も 歩き続けていた。

彼は 座らなかった。

死を前にして、どんな言い訳も どんな妥協も 許さなかった。

そして、結晶化された人間として死んだ。

彼は 死を、意志を作り出すために使った。

 

あなたは 眠ることと 闘える。

食欲と闘える、性欲と 闘える。

何に対しても 闘える −−− が、そうするなら、妥協してはならない ! 

明け渡しては ならない ! 

絶対的に、自分の行為に没頭していなさい。

だが 絶対的に 何かに没頭することは、エゴにはできない。

もし、何かに絶対的に打ち込もうと 頑張れば エゴは消え失せる。

 

そして 突然あなたは 自分自身の中に 

今までとは違う 中心に気づくだろう。

エゴには、意志を 働かせることはできない。

だから、あなたが 意志を働かせば、エゴは 存在できない。

 

だから 道を達成するには、全面的な 明け渡しか 

全面的な意志の どちらかが必要だ。

すると、表面上では 相反する部分が、実際は 相反していない ということ、そんなに相反していることではないと、わかるだろう。

ひとつのこと −−− 全面性に関しては共通している −−− 全面的な明け渡しか、全面的な意志。

 

そして、エゴが 何かに全面的に在ることは、絶対にあり得ない。

それは 常に断片的で 分裂している。

 

 

(08)終わり(09)へ 続く