saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第14章「事実との直面」最初の質問 (07)


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(07)

(…だからグルジェフ

「あなたに意志を 働かせることはできない。 なぜなら、あなたは いないのだから」と よく言っていた )

 

人間は 存在しない。

人間は 一人ではないからだ。

あなたは 群衆だ、何の統一性もない 群衆だ。

あなたは 数多くの 頭を 持っている。

数多くの 意志を 持っている。

ある瞬間、ある状況においては 一つの断片が 主人(マスター)になる。

その状況で、あなたは 何かを言う。

その状況で、あなたは 何かをしようと決める。

そして、その瞬間には 自分が一つの意志を持っていると思っても、次の瞬間には、その断片が どこかに沈下し、もう一つ 別の断片が 湧き上がってくる −−− 

そして その断片は、あなたの意志決定に 気づいてさえいない。

 

あなたは 怒る。

そして そのあとで「俺は もう二度と怒らない」と 決心する。

が、その怒っていた部分が 決心したわけではない。

それは 別の部分だ。

そして それら両方の部分が あなたの人生の中で いつか出会うとは 限らない。

 

「俺は もう二度と怒らない」と言った部分は 怒っていた 部分とは 違う。

すると、そこに 出会いは ない。

怒っていた部分は 明日も再び 怒るだろう。

その部分が怒っている時、あなたは 自分が決心したことを 完全に 忘れ去っているだろう。

そうすれば、また あとで後悔する。

別の部分が またしても湧き上がってきた −−− 

そうしたことが 延々と 続いていく。

 

グルジェフは、我々は 主が眠っている家、あるいは、主が どこかよそに 出かけている家のようだ、と よく言っていた。

何年も、その家は主を 知らなかった。

そこには たくさんの召使いがいる。

その召使い達は「かつて 主がいた」ことを 完全に 忘れ去っている。

その家の主は 眠っているか、 家を 出ていったかだ。

 

何年もの間、召使い達は、主なしで 住んでいた。

誰かが 家のそばを 通りかかり、家の外にいる召使いを見た。

その人は「この家の主は 誰かね ? 」と 聞いた。

すると 召使いは「私が この家の主です」と 答えた。

また別の日、この前とは別の人を表で見かけた。

そして その人が「この家の主は 誰かね ? 」と 尋ねると、その二番目の召使いは

「私が この家の主です」と 答えた。

 

すべての召使い達が、自分が 主だと言い張った。

主が眠っていたり、どこか よそへ行っていたりすると、何ひとつ 決められない。

それら召使いの主は、何かを決めることは できても、それを やり遂げることはできない。

彼らは 何かを約束できても、その約束を果たせない。

彼らは まったく 主ではないのだから。

 

それが エゴのおかれている状況だ。

エゴは 自ら意志を発揮できない。

 

そこで、二つ目の方法は、意志を 作り出すことだ。

もし あなたが 意志を作り出せば、エゴは消え去る −−− 

 

 

(07)終わり(08)へ 続く