(…光のスピードで進むものは、光になる )
だから、何ひとつ 光の速さに到達するものはないし
何ひとつとして、光の速さを 越えるものは 存在しない。
光のスピードは
秒速 十八万六千マイル(三十万㌔)だ。
そのスピードで進むものは、光になってしまう。
だから科学者達は「我々は光のスピードで進むことはできない」と 言う。
何でも −−− 我々、飛行機、ロケット −−− 光のスピードで進むものは、光そのものになる。
四つ目に、光は 乗り物なしで距離間を 移動する。
ほかの全ては 乗り物と 一緒でないと 移動できない。
ただ、光だけが 乗り物なしで移動できる。
それは 神秘だ。
そしてまた、どんな媒体もなく 距離間を移動する。
ほかの全ては、媒体を通して移動しなければならない。
魚は 水の中を移動できる。 人間は空気中を移動できる。
しかし、光は 真空の中を、無の中を移動する。
今世紀の始め、物理学者達は、ちょうど何か、エーテルのようなものを想像していた。
彼らは そこに、何か あるに違いないと想像していた。
そうでなければ、どうやって光は 距離間を 移動できる ?
だから、それが一つの 根本的な疑問だった。
そこには何か、光が それを通して移動するような 媒体があるに違いない。
なぜなら、媒体なくしては 何ものも移動できないはずだ、 と考えたからだ。
今世紀の始め、物理学者達は、何か Xのようなものが存在するに違いない、という仮説を打ち出した −−−
彼らは それを エーテルと名付けた −−−
そのエーテルを通して 光が旅をする と。
だが現在、彼らは 発見した。
光が旅をするための媒体は 何も 存在しない と。
宇宙全体が ただの広大なる空間であり
光は 無の中を 旅する。
(03)終わり…(04)へ 続く