saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

「究極の錬金術」翻訳 : スワミ.ボーディ.イシュワラ

「相反するものが互いに補い合う」 (13: 終回)

(…一人の青年が、自由のために 両親と闘っていた。 彼は ヒッピーになった。 そして、しばらく その葛藤が続いていた。)

 

親たちには 何もできなかった。

彼らは 息子のことを忘れた。

 

そして、初めてその青年は「どうしたらいいだろう ?」と 感じ始めていた。

彼は 何かに 逆らっていただけだからだ。

自由とは、 親たちからの 自由だったのだ。

それは どこへも導きはしない。

 

それは 何かのための ものではない。

それは 何かに 逆らっていただけだった。

そのことは 個人の間でだけ 起こることではない。

それは 民族、国家の間でも起こる。

それは 常に起こっている。

あなたは 自由を求めてイギリスと、あるいは誰か他人と 闘う。

最後には、あなたは自由を手に入れる。

そしてその時、あなたは 空っぽであること、空しさを感じ始める。

何をすればいいのだろう ? 

あなたは 一度も、何かのために 闘ったことがない。

そして あなた方の軍隊は、敵とともに 死んでしまう。

 

とても教養のある 一人の若者が、私の所にやって来た。

彼は ある少女との恋に 夢中になっていた。

でも、彼の両親は 賛成していなかった。

彼らは 同じ宗教に属していなかったのだ。

彼は「たとえ将来、路上で乞食をする羽目になっても、この娘と結婚するつもりです。

でも父は、もし彼女と結婚すれば、私を勘当すると 決めています」と言っていた。

彼の父は 裕福だった。

 

そこで 私はその若者に「あなたは本当に その娘に恋しているのか、それとも あなたの父親に 逆らっているのか ?

それを はっきりさせなさい −−− それらは 二つの 異なることだからだ。

本当に 彼女が好きなのか、それとも その恋が ただの二次的なものであって、あなたは父親に逆らい、その恋を 戦場として、戦線として使っているのか、どちらなのかね ?」と 聞いた。

彼は 躊躇していた。

そして「考えさせてください。 そんなことは考えてもみませんでした。

でも、なぜ そんなことを聞かれるのですか ?  私は本当に彼女のことを愛しているんです !」と 言った。

私は「では、ちょっと考えてみなさい」と言った。

そして、彼は やって来て言った。

「やっぱり あなたの おっしゃったことは違います。彼女のことを 愛しているんです」と。

 

私は ただ、彼の 目を見入った。

すると彼は 落ち着きが なくなってきた。

私は 黙ったまま、ずっと彼の目を見、凝視し続けた。

すると彼は 落ち着かず「何をなさっているんですか ?

私が彼女のことを 愛していないと 思っていらっしゃるのですか ?」と 言った。

私は まだ 黙っていた。

彼は 言った

「何がおっしゃりたいのですか ?  なぜ 黙っていらっしゃるのですか ? 私が 騙しているとでも思っていらっしゃるのですか ? それとも、言い訳を言っているとでも、おっしゃりたいのですか ? 」と。

私は 黙ったままでいた。

すると 彼は「あなたには 私の心が読めるようですね。

考えれば考えるほど、私は 父に逆らっていると 感じます。

それでも私は 彼女と 結婚したいのです」と言った。

そこで私は言った

「いいでしょう、結婚しなさい !」

 

それから 五年の後、彼は自殺した。

彼は 私に、一通の 手紙を書き送った。

その手紙には「あなたは正しかった。私が結婚した瞬間、全ての愛が死んでしまいました。結婚することで、父との闘いが 終わったからです。

私は勘当され、もう何の関係もありません。全てが 終わってしまいました。

そして その瞬間、ロマンスは もうありませんでした。

それは何かと闘うことだったのです。それは何かのためのものではなかったのです」と 書かれてあった。

そして彼は「今、私は自殺しようとしています。生きることは 余りにも退屈だからです」と 。

 

 

もしあなたが いつも逆らってばかりで、何か 積極的な目的が ないのなら、生は 退屈なものだろう。

逆らっては いけない。

常に 肯定的であることだ。

 

私が「流れに 逆らう」と言うのは、何かのために 頂点を極めるために ということだ。

セックスは 悪くない。 だが、頂は それ以上にいい。

 

だから 決して、良い 悪い という次元で 考えてはいけない。

常に「良い」か「もっと良い」か という次元で 考えなさい。

「悪い」は 捨てることだ。

マインドの中で、それにどんな地位も 与えては ならない。

常に「良い、もっと良い」という考え方をしなさい。 生とは その通りのものだ。

一度、善と悪を 作り出したら、すぐに 善は 捨てられ

「悪い、もっと悪い、最も悪い」が ついてくる。

何も 悪くない。

が、より良い ということは 可能だ。

常に覚えておきなさい。

より良いものごとのために 奮闘することだ。

そうすれば、肯定的な流れを 手にすることになる。

 

(13)終わり−−−