saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第二章 「 解き放たれた愛 」 最後の質問

最後の質問
「知識は つねに危険でしょうか ?」



かならずしも つねに危険ではない

そして 知識が危険なのではなく、知ったかぶりが 危険なのだ

事実について知るのは まったくいいことだが、生の神秘を忘れるのは 危険だ

だから 知識は かならずしも危険ではない
ときには、それは 大いに役に立つこともある



小さな 逸話だ・・・

アイルランド人 パディの妻モリーンは、その朝、病院へ かつぎこまれた
妊娠 九ヶ月で、いまや分娩が 始まった

彼女は 美しい双子の娘を 産んだ

パディは、建物の敷地に 基礎の割ぐり石を入れる 一日の労働を終えて
秋の 夕方の涼気のなかを病院に向かって進み、分娩室の 妻のところへ訪れた
「やあ、どうだい、いとしい おまえ・・・」
彼は右目をウインクさせながら ベッドに近づいて、モリーンに 甘くささやいた
そのとき彼は
二人の 小さな赤ん坊が 看護師の手に抱かれて ベッドの傍に連れてこられるのを 見た
「双子ができちゃったのよ、あなた」と モリーンが 言った

パディは それがどういうことかわからず、十分間も そのベッドの傍で ぼんやり坐っていた

分娩室のベルが鳴って、パディは妻にキスをして 部屋を出た
「ちくしょう !」
彼は 長い廊下を歩きながら つぶやいた

「もし もうひとりの奴を見つけたら、俺は そいつを殺してやる !」