saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第一章 「涅槃(ニルヴァーナ)の境地」 (10)

(…タターガタとは「善く逝ける者」を意味する 仏教の言葉だ )


スブーティは 言う
「どれほど多くの助けが 与えられたことでしょう
それは どんなにすばらしいことでしょう
ほんとに すばらしい、信じがたいことです
どれほど多くのものを あなたが 私たちに与えてくださったかーーー
そして なおも、あなたは 与えつづけておられます
私たちには それを頂く値打ちさえないのです」



“ おお世尊よ すばらしいことです
おお善逝よ まことにすばらしいことです
いかに多くの菩薩 偉大な存在が
如来の最高の援助によって助けられていることでしょう
さて 世尊よ
菩薩の乗物で旅立つ者は・・・”


人々を助けるために もう少しこの岸に とどまる決心をした者は・・・


“ いかに立ち いかに進み
いかに思考を制すればよいのでしょうか ? ”


彼は 何を訊ねているのだろう ?

彼は あなた方の多くには ふさわしくないかもしれない質問をしている
それが ふさわしくなるのは あなた方が ボーディサットヴァになったときだけだからだ

しかし いつか、いつの日か、あなた方も ボーディサットヴァになってゆく
いつの日か、この質問が ふさわしくなる
それについて よく考えるがいい
それを 瞑想するがいい


彼は言う
「ボーディサットヴァたることを 決心した者たちーーー
彼らは どのように立つべきでしょうか ?」

彼は こう言っている
「彼岸の魅力は とても強いのです
彼岸の吸引力は とても強いのです
彼らは どのようにして この岸に立つべきでしょうか ?

私たちは人々を 助けたいのです
でも、どうやって ?・・・

その引力、その磁力は こんなにも強いのです
彼岸が 呼んでいるのです
ですから、教えてください
どうしたら ここに立つことができるのか
どうしたら この岸に もう一度 根づくことができるのかーーー

私たちは 根こぎになってしまいました
この世界では、私たちは 根がないのです
根の 九十九パーセントは なくなっているのです」


ちょっと 一本の樹を 思い浮かべてごらん
根の九十九パーセントは消え、残っている根は 一パーセントだけだ
樹は 訊ねている
「いったい どう立てばいいのでしょう ?
私は いまにも倒れそうです
もう少しとどまれたら 人々の大きな助けになることを、私は わかっています
そして、彼らは それを必要としています
私も かつて困っていました
そして あなたが私を 助けてくれました
今度は ほかの人たちが困っています
私は 助けるべきなのです」


それこそが 弟子がマスターに恩返しできる 唯一の道だ
ほかに道はない
マスターは あなたを助けてくれた
マスターには 助けはいらない
どのようにして 恩返しすればいいのだろう ?

どうすればいいのだろう ?

なすべきことは ただひとつーーー

まだ闇の中で つまづき、手探りしている人を 助けてあげることだ
マスターが あなたのためにしてくれたことは 何でもほかの人達にしてあげなさい
そうすれば あなたは 恩返しをしたことになる



(10)終わり・・・(11)へ 続く