saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第三章 「 ダンマの車輪 」 (08)

(…人々を助けようというその願望は、この岸との 鎖として はたらく
遅くなり過ぎないうちに、チットパッドを 生み出しなさい
そのなかに おまえの全エネルギーを 注ぐのだ
「彼の岸から どんな誘惑が来ようとも、私は この岸を去らない」ーーーと )

そして、大きな誘惑がある
すべてが変わり
何百万生にもわたって望みつづけてきた彼の岸へ 往けるようになったとき
もう ここには いたくない というその誘惑は大きい

何のために ?・・・

あなたは じゅうぶん苦しんできた
そしていまや ニルヴァーナへ入るパスポートを 手に入れている

そして 仏陀は言う
「そのパスポートを否(いな)みなさい
それを 捨てなさい
そして、偉大な決意をいだくのだ
全人類を 解放するまでは この岸を離れない、という偉大な決意をーーー」

これを聴いて
スブーティの胸(ハート)のなかに、彼の 存在の最も深い根底に
微妙な 欲望が湧き上がったにちがいない

「これはすばらしいことだ
私はそれから どれほど多くの功徳を得られることだろうか
どれほど多くのプンニャ、どれほど多くの徳を」

それは ほんの さざ波だったにちがいない
それはスブーティにとってさえ読み取ることが、それが 何か を読み取ることがむつかしい
それは ひらめいたにちがいない
つかの間の、あるいは ほんの一瞬の、直感的なひらめき・・・
だが、 それは仏陀の鏡のなかに映ってしまっていた


マスターは 鏡だ
あなたのなかにあるものは 何であれ 彼のなかに 映し出される
彼は あなたが訊ねた質問に答えないときもある
あなたの質問は ただの好奇心で、あなたの内なる存在とは 無縁なものかもしれないからだ
あるいは、あなたの質問は ただ自分の知識を ひけらかしているだけかもしれないからだ
あるいは、あなたの質問は こういうことを他者に立証するためにすぎないかもしれない
「ごらん、私は何と偉大な探求者であることか
私は こんなにすばらしい質問をしている」
その質問は実存的なものではなく、ただ知性的なものにすぎないかもしれない
そのときには、マスターは それには 答えない


そして、ときとしてマスターは あなたが問わなかった質問に答える
問わなかったばかりか、あなたが自分のなかにあることがわからなかった質問にーーー
それは あなたの 内奥の必要性や 要求にかかわっている



仏陀は言う

“ なぜなら
贈り物を与える菩薩は
物に支えられてはならず
どこにも支えられてもならないからだ ”


支え(サポート)とは 動機を意味する
支えとは「私は それ から 何かを得るだろう」ということだ
そうなったら、あなたは肝心な点を 見のがしたことになる
そのときには、それは 取引きだ
そのときには、それはもう贈り物ではない
ニルヴァーナは 贈り物でしかありえない
それは取引きにはなりえない
それは 商売ではない
あなたは、それを与えるという純粋な喜びのために 与えなければならない
あなたは、それから何かを得ようという どんな動機も持ち運ぶべきではない
それから何かを得る という動機を持っていたら、あなたは 誰も 助けることはできない
それどころか、あなた自身が まだ助けを必要としている
あなたは まだ開放されていない
あなたは まだ彼岸へのパスポートを 手に入れていない
あなたは 誤って導くことはできるが、真に導くことは できない



(08)終わり・・・(09)へ 続く