saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第四章 「〈彼方〉から 」 第七の質問 (01)

第七の質問
「あなたは、私たちみんなにボーディサットヴァになってほしい と言います。 ということは、ほかの人たちが「彼岸」へ行くのを助けようという確固たる決意をしなければならない、ということですね。 だが、私には そういう決意ができるとは感じられません。 ときには他者への愛を感じることもありますが、ときには 自分のことだけで忙しいこともあります。 そこで、私は待つべきでしょうか。 その決意は『宣言』のようなものではなく、むしろ ひとりでに熟する果実のようなものなのでしょうか。 そしてまた、なぜ仏陀ブッダであって ボーディサットヴァではないのでしょうか ? 」



まず、これら 三つのことが 理解されなければならない

ひとつは、人間の マインドの通常の状態ーーー
あなたが この世、此岸(しがん)に しがみついていて、彼岸(ひがん)は 架空のものに みえる状態だ
あなたは 彼岸を 信じることができない
あなたが あまりに此岸に しがみついているので
唯一の問題は、どうやって あなたが執着を解くのを 助けたらいいかということだ


サンデハ
いまは ボーディサットヴァであることを 考えはじめても 役に立たない
それは 助けにならないし、危険だ

それは 此岸にしがみつく策略に なるだけだ
あなたはまだ此岸から 自由になっていない

だからこれは、また この世界への 新しい執着の仕方になる
それは 実に 巧妙だ
いまや それは 宗教、慈悲、人々への愛、奉仕という美名のもとに 在るようになる
それは 偉大な 観念となる
「私は人々を救うために ここにいる
私が彼岸へ行かないのは そのためなのだ」

そしてあなたは 彼岸へ行きたがらない

あなたは 彼岸があることを 知らないし、彼岸がある ということさえ信じない
いまや あなたは きわめて微妙で巧妙な罠のなかに落ち入っている

これが ふつうのマインドの 第一段階だ
この段階のマインドは 世界に 執着する

そしてますます執着するための 新たな口実を さがしつづける
その執着を解くのは 非常に むつかしい



二番目の段階は ボーディサットヴァの段階ーーー

彼岸に 翔ぶ用意が できている者、もう この世界には どんな根もない者の 段階だ

そういう無執着の境地に 達した者の 段階だ
第一段階では 執着を解くことが むつかしい
第二段階では 執着することが むつかしい


『ダイヤモンド・スートラ』は 第二段階の人たちの ためにある
第一段階の人たちの ためのものではない

まずあなたは 執着を解かなければならない
この世界のなかにある 自分の根を ことごとく破壊しなければならない
自分の根を ことごとく破壊したとき、はじめて あなたは 他者を助けることができる
さもなければ あなたはなんの役にも立たない
あなたは 何も 分かち合うものを もたない
「私は人々を愛している」と 信じつづけることは できるが、あなたに まだ愛はない
依然としてあなたは 人々が 自分を愛してくれることを 望んでいる
依然として あなたは 乞食のままだ
まだ、理由なく 分かち合う喜びだけのために 愛を分かち合う状態には 至っていない


まず 第二の段階にまで行きなさい
まず あなた自身を 完全に 自我(エゴ)のない状態にしなさい
この世界のなかに おろした あなたの根を みんな破壊しなさい
欲ばりにならないことだ
そのときはじめて、仏陀の言っていることが あなたにふさわしいものになる


それから 次の問題が もち上がる
はじめの問題は どうやって執着を解くか ということだ
次の問題は どうやって もう少し執着するか ということだ

仏陀は、あなたにどんな根も なくなったとき あなたは ここで必要とされる、と 言う
そのときには、あなたは 分かち合う 何かを 持つ
そのときには、あなたは 分かち合うダイヤモンドを 持つ
そのときには、立ち去る前に 分かち合いなさい
そして できるだけ長く ここにとどまりなさい

これが 第二段階だ

第三段階は、すでに彼岸に到達した ブッダの段階だ


さて、あなたは こう訊ねている
「それでは なぜ仏陀ブッダであって ボーディサットヴァではないのですか ? 」


彼岸にいながら、なおかつ此岸にも いるということは 最もむつかしいことだ
彼岸にいながら、なおかつ人々を 助けつづける ということは 最もむつかしいことだ


だから、これらが その三つの難問だ
第一に、此岸に対して 無執着になること
第二に、その無執着が起こったとき 此岸にとどまること
第三に、此岸に とどまることが できなくなったとき・・・

・・・なぜなら此岸にとどまることが 不可能になる瞬間が きているからだ



(01)終わり・・・(02)へ 続く