saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第十章 東洋と西洋を超えて (第五の質問)

第五の質問

愛する和尚、
初めてあなたを 見たとき、私は お守りを見つけたような気がしました。
和尚が 守ってくれる、と。
しかし私は今、「和尚はどうやって、和尚自身から私を守ってくれるのだろう」と 自問しています。
意見をお聞かせください。


それは あなたの問題ではない。
私の 問題だ。
どうやって あなたを私自身から守るか、それは 私の問題であって、あなたの知ったことではない。

一つ言えることは・・・小話で それを言おう。

エドウィンの人生は 終わった。
妻は 子供を連れて、彼のもとを 去っていった。
仕事も 失っていた。
銀行は 抵当に入っていた彼の家を 処分したところだった。
橋の上から飛び降りて 自殺するしかない、彼は そう心に決めた。
ブルックリン橋まで歩いていき、できるだけ高いところまで登って 飛び降りようとしたとき、下の方から 甲高い叫び声が 聞こえた。

「飛ぶんじゃない ! わしが助けてやる」

「誰だ」と 彼は叫び返した。

「魔女だよ」という声が 返ってきた。

不思議に思って エドウィンが 降りて来ると、そこには しわだらけの醜い老婆がいた。
老婆は エドウィンを見つめ、こう言った。
「わしは魔女だ。 わしの言う通りにすれば、お前に 三つの望みを叶えてやろう」

彼は 心の中で思った、「これ以上 悪くなることはない。
失うものなんて何があるだろう ?」。
それで、「わかった。 何をすれば いいんだ」と 言った。

「家へ来て、 一緒に 一晩 過ごすのさ」と 老婆は 答えた。

小屋へ着くと、老婆は 激しく愛するように 命じた。

彼は 精一杯がんばって、その命令に 応えた。
そして へとへとに疲れ果て、最後には 寝てしまった。

目が覚めたとき、醜い老婆が 目の前に立っていた。

「あんたの命令どおり、俺は やった。
さあ、約束を守ってもらおうか、三つの願いを叶えてもらおうか」と エドウィン
魔女は エドウィンを見て、「お前、年はいくつだ」と 聞いた。

「四十二だ」

老婆は ため息をついた、「その年で、まだ魔女を信じてるっていうのかい ? 」。



そんなに長く 私の話を聞いているのに、まだ和尚を 信じているっていうのかい ?

私は、あなたから あらゆる支えを、和尚を含めた あらゆる信念を取り上げることに、全力を 注いでいるのだ。
最初は、 あなたを助ける振りをする・・・それが あなたに理解できる 唯一の言葉だからだ。
しばらくすると、私は 身を引き始める。
最初は、他の欲望から あなたを連れ去り、あなたが 涅槃、開放、真理へ 強い情熱を抱くようにする。

そして他のあらゆる欲望が消え、ただ一つの欲望しか 残っていないとわかったとき、私は その欲望を叩き、「それが唯一の傷害だ。落としなさい」と 言う。

涅槃は 最後の悪夢だ。
あなたは 戻れない。
一度 そうした不毛な欲望を落とせば、そこに戻ることはできないからだ。
一度 落とせば、その魅力、神秘自体が消えてしまう。
どうして そんなに長い間、そうした欲望を持ち歩いていたのか まったく信じることができない。
すべてが ばかばかしく思え、戻ることが できない。

そして、私は あなたから最後の欲望を 取ろうとし始める。
その最後の欲望が 消えれば、あなたは 光明を得る。
すると、あなたは 和尚になる。

私が ここで 努力しているのは、すべて、あなたが 自分もまた神であると宣言できるように、宣言するだけでなく、それを生きられるようにするためだ。



(第五の質問) 終わり・・・(第六の質問) (01)へ 続く