saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

「死のアート」OSHO 第一章 生のあり方 (04)

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アリの 一群が、朝早く、食べ物を捜しに 地中の暗い巣穴から出て来た。
アリたちは 朝露に濡れた草の脇を通りかかった。
「これ、何だろう ? 」
「どこからやって来たのだろう ? 」と、一匹のアリが 朝露を指さして言った。
あるアリは「地面からだ」
別のアリは「海からだ」
すぐに 口論が始まった ーー 海に固執するグループと、地面に固執するグループに分かれて。

一匹だけ、どちらにもつかない 知的で賢いアリがいた。
そのアリが言った、「少し待って 様子を見てみよう。 何であれ、もともとあったところへ 帰ろうとするものだ。
すべてはその源へ帰っていく、 って言うじゃないか。 どんなに 空高くレンガをなげたって、レンガは地面に落ちてくる。
光の方へ向かうものがあったら、それは、もともと光に属していた ということだ」

アリたちは まだ充分 納得がいかず、口論を再開するところだった。
しかし、陽が登り、朝露は葉から離れ 太陽の方へどんどん昇っていった。
そして 消えてしまった。

すべてはその源泉に帰る、帰らなければならない。
生を 理解するなら、死をもまた理解する。
生は 源泉の忘却、死は その想起。
生は 源泉からの離脱、死は 源泉への回帰。
死は 醜いものではない。
死は 美しい。
だが、美しいのは、制約や 抑圧のない生を送った人の死だけだ。
美しく生きた人、生きることを恐れなかった人、つまり、愛した人、踊った人、祝った人の死だけだ。

生が 祝祭となれば、死は 究極の祝祭となる。


(05)へ 続く