saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

「存在の詩」OSHO (OEJ books) 07

Pp417ー421

第七話「あのね それ両方もらうよ !」(07)

 

 

 さあ経文を 見てみることにしよう。

 

『 二元性を超ゆるは王の見地 』

 

 超  え  る  のだ、 勝  つ んじゃない。

 超  え  る ーーー。

この言葉は 実にビューティフルだ。

超  え  る とは どういう意味だろうか ? 

 

それはちょうど、小さな子供が おもちゃで遊んでいるのに 似ている。

その子に それを放せなどと言おうものなら、その子は ご機嫌を損ねてしまう。

眠るときでさえ 彼はそのおもちゃと一緒だ。

すると、お母さんは 彼が眠り込んでしまった後で、そっとそれを片づけなくてはならない。

朝、彼が要求する 第一のことは、「おもちゃは どこへ行ったの ?  誰がおもちゃを取ったの ?」だ。

夢の中でまで 彼は そのおもちゃの夢を見る。

 

 ところが、突然ある日、彼は そのおもちゃを 忘れ去ってしまう。

何日間か、それは部屋の隅に 放りっぱなしになっていて、あげくのはてに、今度は しまわれるか 捨てられるかする。

二度と ふたたび 彼はそのことを聞いたりしない。

 

 何が 起こったのだろう ? 

彼は  超  え  た のだ。

彼は 成熟したのだ。

それは 戦いでもないし 勝利でもない。

彼は おもちゃを持つ という欲望と 戦っていたわけじゃない。

違う。

突然 ある日ーーー。

彼は それが子供じみていて、自分は もう子供じゃない ということが わかったのだ。

 

 突然 ある日ーーーおもちゃは おもちゃであって、本当の人生じゃない ということに気づいたのだ。

そして彼は、実人生への用意ができている。

彼はおもちゃに 背を向けた。

二度と ふたたび夢に それが現われることもない。

二度と ふたたびそのことを 考えることもない。

そして もし、誰かほかの子供が おもちゃで遊んでいるのを見たら、彼は 笑うだろう。

彼は 笑う。

それも 得意顔でーーー。

知っている笑い、賢い笑いだ。

彼は 言うだろう。

「あの子は 子供なんだ。 まだ子供っぽいから おもちゃで遊ぶんだ」

 

 彼は 超えた。

超越というのは ごく自然発生的な現象だ。

それは培われるようなものじゃない。

あなたは ただ もっと成熟するだけのことだ。

あるものの 馬鹿らしさ全体を 見抜き、そして 超   越 する。

 

 ある 若い男が 私のところに やって来た。

しかも 彼は とても悩んでいた。

彼には 美人の奥さんがいたのだが、ただ鼻が少し長い。

それで 彼は悩んでいた。

そして「どうしましょう、プラスチック整形までしてもらいました。 鼻は少し醜くなっただけです」と 言う。

だって、どこも 悪くなんかなかったのだからーーー。

何か どこも悪くないものを 改良しようとすれば、それはもっと見苦しくなるしかあるまい。

もっと ひどくするだけだ。

 

 さあ彼は 前より一層 困ってしまい、私に どうしたらいいか と聞く。

私は彼に いまの おもちゃの話をし、いつか超越しなくてはなるまい、 と 言った。

「これはまるで子供じみている。 どうして鼻のことなんかで そんなにも頭を一杯に指定いるのか ?  鼻はただ ほんの一部分じゃないか。 それに 君の奥さんは本当にきれいで、実に 素晴らしい人だ。 それを、なぜ君は 鼻のことで 彼女をそんなに悲しがらせるのか ?」とね。

 

 というのも、彼女までいっしょに ひどく鼻に こだわるようになってしまったからだ。

人生の問題の すべてであるかのごとき様相を呈してきた。

問題なんて 全部こんなものなのだ。

自分の問題は 何か もっと大層なものだ などと思わないこと。

問題なんて 全部こんなものなのだ。

問題というものは すべて子供っぽさから出てきている。

幼稚ーーーそれらは 未熟さから 生じるものだ。

 

 その男は 本当にひどく鼻にこだわっていて、奥さんの 顔も見ようとしないほどだった。

その鼻を 見るたびに苦しくなるからだ。

だが、ものごとから そんなに簡単に逃げることはできない。

たとえ 鼻のせいで 顔を見ないにしても、それは まだその鼻を 気にしている ということだ。

たとえ もし問題を避けようとしたところで、その問題は頑として そこにある。

あなたは 取り憑かれているのだ。

 

 そこで私は、 彼に 奥さんの鼻に瞑想するように 言った。

 

「何ですって ?  見ることもできないくらいなんですよ」 と 彼。

私は それが役に立つだろうと 話した。

「まあ やってごらん。 昔、人々は 自分の鼻の頭に 瞑想したものだ。 それなら自分の奥さんの鼻の頭に 瞑想して どこが悪い ?

ビューティフルじゃないか。 やってごらん」。

彼は

「それで どうなるんですか ?」と 言う。

「まあ やってごらん」。

私は 彼に言って聞かせた。

「そして 何か月かしたら 結果を知らせにおいで。 毎日 彼女を あなたの前に 置いて、その鼻に 瞑想するんだよ」

 

 

第七話「あのね それ両方もらうよ !」(07)

おわり (08)ヘ つづく・・・