saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第2章(質疑応答)「トータルであることは至福だ」(10)

最初の質問

(10)

 ある心理学者が 人間の隠された事実、あなたが どんなに隠そうとしても、実際には隠せない事実について 実験していた。

たとえば、もし誰かが「自分は 女性に惹かれない」と言い、女性に惹かれないように 振舞う。

その人は 自分自身に「女性には惹かれない」と 言い聞かせ、他の人にも 自分のことは そうなのだと、納得させることはできる。

 

だがアダムは、当然ながら イブに惹かれ、イブはアダムに 惹かれたに違いない。

それは自然の 本能の 一部だ −−− 人間が自然の本能を越えない限り、人間がブッダにならないかぎりは。

 

だが、ブッダは決して「私は女性に惹かれない」とは 言わない。

そう言うことでさえ、「惹かれる」、「嫌悪する」という立場で ものを考えざるを得ないからだ。

ブッダは「私は女性の存在に嫌悪を感じる」とは言わないだろう。

何か 惹かれるものがなければ、嫌悪を感じることはあり得ないからだ。

 

もしあなたが 彼に聞けば、単に こう言うだろう。

「男性と女性、その両方が 私には無意味だ。 私は どちらでもない。 もし私が男性であれば、どこかに女性が隠されているだろうし、私が女性なら、男性がどこかに隠されているだろう」と。

 

その心理学者は つい最近、「私は女性に魅力を感じない」という男性について実験した。

外面的には 確かに、 彼は 女性に魅力を感じていない。

彼が 誰かに魅力を感じたことは、一度としてなかった。

次に、その心理学者は ある写真を彼に 見せた −−− 十枚の それぞれ異なる写真。

一枚だけが 女性の裸の写真だった。

その心理学者は、被験者が どういう写真を見ていたのかを 見てはいなかった。

彼はただ、 被験者の目を 見ていた。

写真の裏が、心理学者の眼前にあった。

彼は その男に 写真を見せ、ただ その男の目を 見ていた。

そして、 心理学者は こう言った。

「私には写真の裏側しか見えません。

あなたが女性に魅力を感じなければ、私には それがわかります。

もしあなたが 女性に魅力を感じるのなら、あなたが女性の裸の写真を見た時に、そう告げましょう。

私には その写真は見えませんよ」と。

写真が その男に見せられた。

 

そして まさにその瞬間、 心理学者は言った。

「今、あなたは 裸の写真を見ていますね」と。

裸の 女性の写真が その男に見せられた時、

彼の目が 大きくなったからだ。

それは 意識的に そうしたわけではない。

 

あなたは コントロールできない。

あなたには 何もできない。 それは反射的な 行為だ。

目は、生物学的に そう作られている。

その男は 言う。

「私は女性に魅力を感じない」と。

が、それは 意識マインドだけのことだ。

無意識マインドでは、 ほかの男性と同じように 

魅力を 感じている。

 

ある事実を 隠せば、それらは あなたを あやつり続ける。

すると、ますます あなたは、恥ずかしいものを感じるようになる。

 

文明が高度に 発達すれば するほど、文化が高度に発達すれば するほど、ますます人間は 恥ずかしいものを感じるようになるだろう −−− ますます自分を 恥ずかしいものと 思うようになる ! 

 

実際、セックスを恥ずかしい と 思えば思うほど、あなたは 高度に文明化されているのだ。

が、 そうなると、文明化した人間は きっと狂い、精神分裂(統合失調)症になり、分かたれてしまう。

その 分裂が、 アダムと ともに始まった。

 

そして 質問の二番目で「禁じられた知恵の実とは、セックスのことを知ることだと言われていますが、それに関する あなたの見解はどうでしょうか」とあなたは 尋ねている。

 

無論、そういうことだ。 だが、それだけではない。

セックスは 最初に知ることであり、また最後に 知ることでもある。

あなたが人間の 仲間入りをした時、まず最初に あなたが感じ、意識するのはセックスであり、最後に あなたが人類を 越えていく時、 感じ、意識するのも またセックスだ −−− 最初と最後だ。

 

セックスは生において、他のものより さらに根本のところに あるために、最初にきて当然だ。

それは アルファであり、 オメガだ。

 

 

 

(10)終わり(11)へ 続く