saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

「第14章」二番目の質問・・・(06)

二番目の質問 (06)

 

ひとつ 話をさせて欲しい。

一人の中国の禅僧が 三十年間、木の下で 生活していた。

そして、彼は まさに悟りを開いた人 として知られていた。

 

村の女が 三十年間、ずっと彼に 仕えていた。

その僧は 絶対的に純潔だと 知られていた。

もう彼は 年老いていて その女も また、 年老いていた。

そして、その女は 死の床についていた。

そこで、彼女は 村から娼婦を呼んできた。

そして、真夜中に、僧の所に行くようにと 頼んだ。

「ただ、 僧の所に行って、彼を 抱きしめてください。

そして、彼が どんな反応をしたか 私に話してください」と。

すると 娼婦は聞いた。

「目的は 何なのですか ?」と。

老女は言った。

「私は 三十年間 彼に仕えてきました。

でも私は、彼の純潔が未だに、保たれている純潔だと 感じるのです。 それは まだ無努力ではありません。

だから私が死ぬ前に、彼が 仕えるにふさわしい人だったか、あるいは 彼が自分自身に だまされているように、私も ただ、 だまされていたのか 知りたいのです −−− 私は この世から 去っていきます。

死ぬ前に、私に知らせてください。知りたいのです」

 

そこで、娼婦は 僧の所に行った。

それは 真夜中だった。

僧は瞑想しているところだった −−− 夜の最後の瞑想。

娼婦が部屋に入って来るのを 彼が見た 瞬間 −−− 彼は彼女を知っていた、よく知っていた。

彼女は 同じ村の人間だった。

そのうえ彼は、以前から 何度も何度も

彼女の魅力に惹かれていた。

だから 彼女ことを よく知っていた。

実際、彼は その娼婦と何年にも渡り 闘っていた。

彼は 困惑してしまった。

彼は ただ庵から出て

「どうして ここに来たんだね ?  私に触らないでくれ !」と 叫んだ。

彼は 震えて、冷や汗をかいていた。

娼婦は 笑って帰っていき、一部始終を 老女に話した。

老女は 言った。

「すると、私は だまされていたということですね。

彼は いまだに同じままだった。

何一つ 変わっていなかった −−− 彼は ごく当たり前に 反応した。

彼は 恐がっていた。 彼のマインドは いまだにセックスに 捕らわれていた。

彼のマインドは、いまだに性的なものだった」

 

セックスは、まったく逆の 側面もあり得る。

あなたは 二つのあり方で 惹かれる −−− 

肯定的、あるいは否定的に。

否定的な魅惑(アトラクション)は、魅惑されているように 見えないかもしれない。

でも、魅惑されているのだ。

それと 同じことが ブッダにも起こった。

ブッダは、森の中の 一本の木の下にいた。

そこへ 何人かの若者が、ピクニックを楽しみに やって来た。

彼らは 娼婦を連れて来ていた。

彼らは 食べ、飲み、余りに酔ってしまって 

その隙に 娼婦は 逃げてしまった。

彼らは 余りに酔っ払い、娼婦は逃げ出した ! 

彼らが 素面に戻った時は、もう娼婦は 逃げ出していた。

そこで彼らは 娼婦のあとを追った。

そこには 一本の道しかなかった。

その娼婦は、ブッダが座っていた場所を 通り過ぎた。

そこへ彼らがやって来て、ブッダに 尋ねた。

「お坊さん、ここへ裸の きれいな女の子が 通りませんでしたか ? −−− というのも、道はこれ以外にないのです」

 

すると、ブッダは 目を開け 言った。

「彼女が 女だったか男だったか、 と言うのは難しい。

彼女が きれいだったか醜くかったか、と言うのも難しい。

また彼女が、裸だったか着物を着ていたか、 と言うのも難しい。

が、誰かが 通り過ぎたことだけは 証人になれる。

誰かが通り過ぎた。だが、その人が 女か男かは 私には言えない。

私には 関心がないからだ −−− まったく関心がないのだ、否定的にでさえも。

彼女が きれいであろうが 醜くかろうが、興味がない。

着物を着ていようが 裸だろうが、私には 興味がない。

しかし、誰かが 通り過ぎた。

それだけは 請け合える。

もう一つ。 夜は あまりに静かだ −−− 若い男たちが 森を通り過ぎるものの後を追いかけ、その人を見つける方がいいだろうか ?

それとも 私の所に来て ともに座り、自分自身を見つける方が いいのではないかね ?

夜は とても静かだ。 そこで、あなたたちは 何を考えているのだね ?

自分自身を 見つけるのと、 誰か他の人を捜すのと どっちがいいかね ?」と。

 

 

(06)終わり(07/終回)へ 続く