saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

「究極の錬金術 2」by OSHO,


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二番目の質問 (04)

( 宗教と 道徳の 延々と続いてきた混同を、 止めるべきだ。

宗教は 道徳ではない。

道徳とは、 何かに 反して 何かを 選ぶ という 一つの選択だ )

 

ある話を しよう。

 かつて ムラ・ナスルディンは、とても学識のある学者の 聴講生だった。

ムラは その学者の話を 聞いていた。

また、その学者は 宗教的な人間で、偉大な 宗教の教師でもあった。

その講義が ちょうど終わった最後に、その宗教的な学者は みんなに こう言った。  

「誰か 天国へ行きたい者はいないか ?

行きたい者は 手をあげなさい」と。

ムラを除いて 全員が手をあげた。

その時、ムラは ちょうど一番前の列に 座っていた。

そういうことが起こったのは、はじめてだった。

 

その教師は、数多くの村や町で 同じ質問をしてきた。が、手をあげれば天国へ行けるというのに、自分の席に座ったままだ という者には、今まで一度として お目にかからなかった。

そこで初めて、 彼は 別の質問をしなければならなかった。

以前には決してなかった質問だった。

彼は こう聞いた。

「誰か 地獄へ行きたい者は いないか ?

地獄へ行きたい者は 手をあげなさい」

誰ひとり 手をあげなかった −−− 

ムラ・ナスルディンでさえ 手をあげなかった。

そこで その学者は こう聞いた。

「君は、私の話を 聞いているのかね ?

君は耳が 聞こえないのか ?

どこに 行きたいと言うんだ !

天国へ行きたいかと聞けば黙っているし、地獄へ行きたいかと聞けば、また黙っている。

君は どこへ行きたいんだ ? 」

 

すると ムラ・ナスルディンは 言った。

「その中間に 行きたいんですよ。

私は どこにも行きたくないんです 天国であっても。

なぜなら、 私は天国に行った人が 地獄に落ちるのを見たことがありますから。

私は 地獄も 選ばない。

というのも、地獄へ行ったら 次にどこへ行けます ?

天国しか ないでしょう。

だから どうか私をほうっておいてください。

もし できることなら、天国と地獄の間にいたいです。

それで初めて、私は心穏やかでいられる。

でなければ、心穏やかではいられません。

天国にいれば地獄に惹かれ、地獄にいれば天国に憧れる。

だから、 できるなら、天国と地獄の中間に いさせてください」と。

 

それが 無選択の あり方だ。

宗教は無選択 −−− 選ばない ということだ。

だが 我々は、道徳という観点から ものを考え続けて、道徳と宗教を 混同している。

 

道徳は 日常生活に 欠かせないものだ。

しかし道徳では、道徳的な世界は 創造できない。

実のところ、人間が道徳を 意識すればするほど、不道徳を 見い出すことになる。

誰もが

「世界は道徳的でなくなった」と言う。

本当は「人間が道徳を 意識し過ぎるようになっただけで、世界が 道徳的でなくなったわけではない。

人間が 道徳を 意識し過ぎるようになった。

だから、 世界が 不道徳に 見える」のだ。

それは 一つのバランスだ。

 

今、我々は 各地の戦争に反対している。

今の社会では、戦争は まったく不道徳だ と 見られている。

しかし 歴史の中で、かつて一度も、我々は戦争を 不道徳だと 非難したことがない と、気づいているだろうか ? 

 

我々は 戦った。

が、 一度も戦争を 非難したことがない。

 

我々が 初めて戦争を 非難したのは、原子爆弾が造られた時だ。

 

我々は 決して戦争を非難しなかった。

それは 原子爆弾を 一度も造ったことが なかったからだ。

それらの両方が、バランスを生み出している。

その戦争が 決定的であればあるほど、致命的であればあるほど、我々は戦争に より強く反対する。

反対 すればするほど、その戦争は もっと致命的になっていく。

 

何であれ、あなたが 否定したものを、 また あなたが作り出していることになる、。

 

世界は決して、これほど貧しくはなかった。

私が言うのは「かつて世界は、決して今ほど、 貧しさに意識的ではなかった」ということだ。

 

世界は いつも貧しかった −−− 今より もっと貧しかった。

世界は いつも、今よりもっと貧困にあえいでいた。

時代を 遡れば遡るほど、今より ひどい貧困を見い出す。

が、その時代は、貧しさが 当然の如く 受け入れられていた。

また、裕福であることは 不道徳ではなかった。

 

 

 

(04)終わり(05)へ 続く