(09)
(…私が 論理は 神秘に 反するものだ と 言うのは
論理は 神秘の 世界の中では機能できない、という意味だ。
論理は、決まりきった、死んだ、ラベルの張られた世界でのみ 機能できる )
アリスが 不思議の国に 行った。
そして、彼女は ちょっと混乱してしまった。
一頭の馬がやって来た。
すると、突然 馬は牛に 変わった。
ちょうど 夢の中で 起こったように。
夢の中では 決して、おかしい とは 思わない。
夢の中で
「これは おかしいんじゃないか」と 思ったことがあるだろうか ?
あなたが 何かを 見ていると
突然それが 何の理由もなく 変化する。
夢の世界の中に 理由は存在しない。
馬が牛に なる。 が、どうして、どうやって それが 起こったのか、あなたは決して 聞きはしない。
夢の中では 誰も 聞かない。 あなたは 聞けない。
もし その理由を聞けば、夢から覚めて しまうだろう。
眠りが 壊れて しまうだろう。
が、夢の中では 決して 疑いは 湧いてこない。
が、どうして ?
あなたが道を 通り過ぎていると 突然 一頭の馬が牛になり、犬が 人間に なる。
あなたの妻が、あるいは 夫が突然、犬に なってしまったら、あなたは 受け入れられないだろう。
マインドには不可能だろう。
が、夢の中では、まったく ためらわずに 何の疑いもなく、何の 問いもなく 受け入れる。
なぜだろう ?
夢の中では、論理のカテゴリーは 機能しない。
その「なぜ」が 不在なのだ。 疑いが 不在だ。
ラベルの 張られた世界が不在なのだ。
だから本当に 馬が牛に なれるし、何の問題も ない。
馬が スッと現れ、牛になる。
それが 流動的な世界だ。
不思議の国で、アリスは まったく混乱してしまった。
あらゆるものが スッと ほかの何かになってしまう −−− 他の何かに。
そこで彼女は 女王に 聞いた。
「これは どういうことなのですか ?
なぜ 物事が 変化していくのですか ?
私は ここで どうしたらいいのですか −−− 何ひとつ 当たり前のように 受け取れません、 何ひとつ !
何でも 何かになれる あり様です。
いつでも 変化するんですもの。
何ひとつ 当たり前のように 受け取れないんです。
私は どうすればいいのですか ? 」と。
すると 女王は
「ここは 生きている世界です。
死んでいないのです。
あなたは死んだ世界から やって来たので、ここにいるのが 困難に感じるのです。
物事は ここでは 生き生きとしています。
Aが Bに なれます。 定まったカテゴリーは、ここには まったくありません。
全てが ただ流動的で、ほかの何かに移り変わっています。
ここは 生きている世界です −−− あなたは 死んでいる世界から やって来たのです」と 言った。
我々は 死んでいる世界に 住んでいる。
その 死んでいる世界が “これ” だ。
もし、この死んでいる世界の 向こうに 生きている流れを 感じられれば、
あなたは “それ” を 感じられる。
(09)終わり(10)へ 続く