saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第六章 「ボーディサットヴァフッド」(最初の質問) (02)

(…あなたの ロマンスのすべて
あなたの 詩情のすべて
あなたの 胸(ハート)の中で 打ち震えているもの すべてを、子供に 伝えることは できない )

彼は まだ その体験を 味わっていない
彼は それを 自覚していない

欲望は 彼のなかに湧き上がっていない

仏陀は その欲望を ワサナと呼ぶ
そのワサナは まだ彼のなかに 生じていない
それが生じないかぎり、それについて 何かを伝えるすべはない


欲望、性、愛のなかに 含まれるその同じワサナ、その同じエネルギーが
ある日、欲望から解放される
ある日、欲望が 落ちる

ちょうどある日 それが湧き上がったように、ある日 それは落ちる

生まれるものは 何であれ 死に、始まるものは 何であれ 終わる

生が ごくごく自然に、自然発生的に行ったら、一線が画されうるような 段階がくる


性は 十四歳のときに 起こる
性的成熟だ

子供は 未知で 新しい何かに ぞくぞくする
子供は 欲望という 風を得た

大きな情熱と炎が 彼のなかに湧き上がっている

彼はもう二度と その欲望以前に そこにあった純真無垢には 戻れない
彼は 二度と その純真さで 物事を見ることはない


生が 自然発生的に、自然に 進んだら
きっかり死の 十四年前に、その欲望は 消える
きっかり死の 十四年前に、セックスは 無関係なものになる

突然 また、あなたは見出す
夢は もう そこにない、情欲は 止まった、嵐は消えた ということをーーー

そして、 静寂、 完全な静寂がある
あなたのエネルギーは その欲望に 巻き込まれていたが、その欲望は 消え去った

その エネルギーは どこへ行くのだろう ?


あなたは まだエネルギーを 生み出している
食べ、呼吸し、運動し、生活することによって だ

あなたは神聖なエネルギーを 人間のエネルギーに 転化しつづける
このエネルギーは どこへ 行くのだろう ?

古い道は もう 閉じている
それは 性欲の方向には 進めない
それは どこへ動くのだろう ?

仏陀は そのための 別の言葉をもっている
彼は それを カルーナ、慈愛と 呼ぶ


情熱は もう重要ではない
エネルギーが そこにある
大いなるエネルギーが そこにある
それは どこか 動くところを必要としている
エネルギーは 静的では ありえないからだ
その 本性そのものが ダイナミックだからだ

それは 慈愛となって あなたから 溢れ出はじめる

それが ボーディサットヴァ という状態だ

セックスが消え、欲望が消え、未来が 消えるとき
あなたが 突然 いまここに いて
内に その大きなエネルギーを持ち、それを内包できなくなるとき

それは 流れ 出はじめる
それは あなたのカップから 溢れ流れはじめる

それが 慈愛だ


これが ボーディサットヴァ という 状態だ
それは も の ではない

人々は 不自然になってしまっているから それは ふつうには 起こらない

だから、世界中の言葉に
老人が性に 興味をもつと 何か 不潔なことに思われて
「不潔な老人」という言葉が ある
なぜ 不潔なのか ?

若者は 不潔と思われていないのに、なぜ 老人は ?

この言い回しは、時代を遡って それが起こることがなかった昔から きている
それは 病的な 事態だった
それはノーマルではなく、アブノーマルだった

何かが まちがってしまった

さもなければ、死ぬ前に その欲望は 消えるはずだ

さもなければ、あなたは人生で いったい何をしてきたのだろう

もし 欲望が消える地点にさえ 達していない としたらーーー ?

あなたは 生という機会を のがしてしまった


そして 憶えておきなさい
私は 欲望に 反対しているのではない
私は まったく それに賛成だ

時期が来たら そのなかに 入るがいい
それも 全面的に 入るがいい

そうすれば、そこから出てくる時が 来たときにも
あなたは 全面的に 出てくることが できる

全面的(トータル) に そのなかへ入る者だけが 全面的(トータル)に そこから外へ 出ることができる

なまぬるく、中途半端に、部分的に、抑圧的に 進む者は
けっして そのしがらみから 出てくることは できない
けっして その愚かさを 見ることは できない
けっして その幻想性を 見ることは できない


だから私は 欲望に反対していない
私は 全面的に 情熱に賛成だ
そのなかへ 入ってゆきなさい
全面的に、ハートを込めて 入ってゆきなさい

それが時期であるあいだに、見ることのできるものは 何でも 見ることだ

まさに その見ることが あなたを それから解放する

そして ある日 その果実は熟して 落ちる




(02)終わり・・・(03)ヘ 続く