saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第六章 「 最後の質問 」 (02)

(…だが どこへ行こうと彼らは 地獄を生み出す

彼らが 地獄だ

それは どこかに天国を見つけるという問題ではない

自分のなかに すでにそれを持たないかぎり、あなたは それを どこにも見出すことはない )

 

アヌボーディが 私に すばらしい寓話を送ってくれた ーーー

「ある時 私は

主催者 全額負担の『天国と地獄』行きの旅行に当たった男を知っていました

その男は はじめに どこへ行きたいか、と 訊ねられました

『私は まず地獄を訪問したい』

彼が そう答えたので、そのように 手はずが整えられました

地獄に到着すると すぐに、たいへんな光景が 彼の目に映りました

大宴会場に 自分自身が いて

長いテーブルには 想像しうる あらゆる食物が満載されてありました

人々は テーブルにそって 座り、食物の上に フォークを構えていました

それはおいしそうに蒸され、すばらしく誘惑的な香りが 空気を満たしていました

しかし、 誰ひとりとして 食べてはいませんでした

 

その男は当惑しました

しかし近よって 見ると、人々は みな ひじが麻痺するという 病気に苦しんでいました

どんなに試みても、彼らは 食物を自分の口に入れることが できません

『だから、これが地獄なのだ』

と、その男は 思いました

必要とし、望みとしうるもの すべてに恵まれた豊かな世界に 住む

しかし その豊かさの ただ中で飢え、自分自身を養うこともできない ということが ーーー

 

向きをかえて、その男は 天国へ 連れて行ってくれるように と 頼みました

天国でも 彼は 同じような 大宴会場を見ました

同じ長いテーブルが ぎっしり並んでいて、同じ おいしそうな食物が満載されていました

近づいて 見ると、彼は そこの人々も みんな同じ ひじの病気を患っているのに 気づきました

『これが天国だって ?』 彼は 大声で 叫びました

しかし、もっと よく 近よって調べると、彼は ひとつのちがいに 気づきました

天国と地獄の間に ひとつ 小さなちがいが あって

それが ちがいのすべてをなしているのを 見ました

彼が 見たものは

天国では 人々は お互いに食べさせ合っていた ということでした

 

彼らも まったく同じ病気を患っていました

しかし、彼らは お互いに食べさせ合っていました

食物を 自分の口の中に 入れるのは不可能でしたが

人に 食べさせることは 可能でした

そして、 ほかの人が 自分の口に入れて 食べさせてくれていました ーーー」

 

それが ただひとつの ちがいだ

だが、そのちがいは 内側にある

慈愛が 湧き上がっている

あなたが ボーディサットヴァに ならないかぎり

どこにいようと あなたは 地獄の中に いる

欲望が 慈愛に 変容するとき ーーー

そのときには、どこにいようと あなたは天国にいる

それこそが、 存在する ただひとつの 天国だ

 

第六章 最後の質問 終わり・・・ 第七章「平安に住する者」(01) へ 続く