(…だから 邪悪なマインドのあとには 不幸が従う
邪悪なマインドの後には 地獄が 従う )
邪悪なマインドとは 拷問し、破壊し、殺戮することを 楽しむ者だ
チムール、ジンギスカン、アドルフ・ヒトラー、ジョセフ・スターリン
ーーーこれらは 邪悪なマインドだ
それから、神聖なマインドが ある
邪悪なマインドに対立し、それとは まったく正反対なものだ
それは 創造的だ
それは人々が 幸せなのを見て よろこぶ
それは 助け、奉仕する
それは ほかの人たちに 幸福を与える 偉大な授与者だ
それは人々が 幸せなのを見るのが 好きだ
幸福は このマインドーーー神聖なマインドーーーの後に 影のように従う
しかし、もうひとつ あなたが気づいていないものが ある
もし幸福が そこにあれば、その向こうのどこかに 不幸が ひかえている
もし不幸が そこにあれば、その境界線上の どこかに 幸福がある
それらは 共に進む
邪悪なマインドの後には 悲惨が、地獄があとを追う
しかし、どこかで その地獄の後には 天国が あとを追う
神聖なマインドの後には 幸福があとを追う
しかし、幸福のあとには 不幸があとを追う
なぜなら それらは分離されていないからだ
それらは 二つの現象ではない
もし不幸になることが できなかったら、どうやって幸福になることができよう ?
もし不幸とは何かを 忘れたら、あなたは 幸福も忘れる
もし 病気や不調とは何かを 知らなければ、あなたは 健康や健全さを 感じることは できない
それは 不可能だ
あなたが健康であることに 敏感であるためには、ときとして 病気が 必要だ
白い壁に 白いチョークで ものを書くことは できない
あなたが 書けない というのではない
あなたは書けるが、誰も それを 読むことはできない
あなたでさえも ーーー
白いチョークで書くためには、黒板が必要だ
黒板は その背景として はたらく
白いチョークは その表示になる
生も また同じだ
幸福は 白いチョークのようなものだ
それは 黒い背景を 必要とする
神聖なる人は 幸福に生きる
が、その幸福は 一つの表示にすぎず、そこには 不幸が背景のように ある
そこに不幸がなければ、彼は 幸福の何たるかを 知ることはできない
コントラストがなければ 知るすべはない
だから、究極的には 神聖なマインドと邪悪なマインドは 二つのマインドではない
それらは 同じコインの両面だ
聖人と罪人は 共に存在する
聖人は いつでも罪人に なりうるし、罪人は いつでも聖人に なりうる
彼らは 遠く離れてはいない
彼らは「遠い隣人」ではない
彼らは すぐ傍に住んでいて、ごく親密だ
彼らの境は 接し合い、融け合っている
第三のマインドは ノーマインドだ
聖人でも罪人でもなく、幸福でも不幸でもない
二元性は 落とされた
そうなったら、静寂が、平安が ある
そうなったら、 平和がある
すべての騒ぎは 消え去っている
憶えておきなさい
幸福でさえ「騒ぎ」だ
幸福でさえ 一種の熱病だ
あなたは それを好むが、それは 問題が別だ
それは 熱病だ、熱に浮かされたものだ
あなたは それを観察したことがないだろうか ?
幸福であるときには、あなたはそれに 飽きてくる
たまには それも いいだろう
が、あなたは 長い間 幸福のままでいることは できない
遅かれ早かれ あなたは それにうんざりする
それは 疲れさせる
もし あまり幸せすぎると、あなたは 夜 眠れない
同じように、あまり 不幸すぎると あなたは 夜 眠れない
あなたは くつろげない
幸福が 緊張になる
両方とも 疲れさせる
幸福があなたを うんざりさせると、あなたは 不幸のほうへ向かう
不幸があなたを うんざりさせると、あなたは 幸福のほうへ 向かいはじめる
そうやって 生という振子は 一つの極から 別の極へと 振れたり揺れたりしつづける
ノーマインドは まったく 別のものだ
幸福か不幸か、神聖か神聖でないかは マインドとは なんの関係もない
憶えているかね ?
ボーディダルマが 中国へ行ったとき、武帝が 彼に 二､三質問をした
その質問の ひとつは こうだった
「朕は多くの僧院、多くの仏教寺院をつくった
そして仏陀の教えを広めるために自分の財宝を開放した
それは神聖だと思わないかね ? 」
ボーディダルマは 笑って言った
「その どこが神聖なのか ?
それは 一種の商売だ
あなたは あの世のために 計画を立てている
あなたは 極楽を望んでいる
そのなかには 神聖なものは 何もない
それは 他のものと同じくらい世俗的だ」
ボーディダルマは 何を意味しているのか ?
(02)終わり・・・(03)ヘ 続く
