saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第6話 ーーー Q&A 最初の質問 (01)

1ーーー 子供の空(くう)と 仏陀の空(くう)

最初の質問ーーー
“ 自我形成以前の 子供の空(くう)と,仏陀の内なる目覚めた〈子供性〉との違いは何でしょう ? ”



その 二つの間には 類似性もあるし
また 違いもある

本質的には 子供はひとりのブッダ
だが,彼のブッダフッド
彼の無垢は 自然なものだ
自分で 獲得したものじゃない

彼の無垢は 一種の無知のようなものであって
了解 (realization) じゃない

彼の無垢は 無意識だ
彼は それに覚めていない
彼は それに気づいていない
彼は それについて どんな注意も払っていない
それは そこにある
が,彼は 忘れている

彼は それを 失うことになる
失わなくてはならないのだ
その楽園(パラダイス)は 遅かれ早かれ 失われるだろう
彼は その途上にいる

どの子供も あらゆる種類の 堕落や不純
“世間” というものを 通過してゆかなければならない

子供の無垢というのは,エデンの園から 追放される前の
知識の木の果実を 味わう前の
意識を持つ前の アダムの無垢だ
それは動物的なものでしかなかった
どんな動物でもいい
その目を のぞき込んでごらん
牛,犬 ーーー
すると,そこには 純粋性がある
仏陀の目の中に存在するのと同じ 純粋性だ
が,ひとつだけ違うところがある

そして,その違いは また巨大だ
仏陀は〈我が家〉に 戻って来ている
動物はまだ〈我が家〉を 離れたことがない
子供というのは依然として エデンの園にいる
依然として 楽園にいる
彼はそれを 失わなければならまい

なぜならば
得るためには,人は 失わなければならないからだ
仏陀は 我が家に帰り着いている
ぐるりと ひとまわり ーーー

彼は 出て行った
彼は 行方をくらましてしまった
彼は 道を踏みはずした
彼は 暗闇や 罪や
不幸や 地獄の中に 深くはいり込んで行った
そうした経験は
成熟と成長の 一部分だ

そうしたものがなければ
あなたは 何の筋金もはいっていない
ふにゃふにゃだ
そうしたもの なしでは
あなたの無垢は とても か弱い
それは 風に 耐えることができない
それは 嵐を 忍ぶことができない
それは とても弱い
それは 生きのびることができない
それは生という火を くぐってゆかなければならないのだ
千と 一つの 過ちを犯し
千と 一回 あなたは堕落し
そして,ふたたび 自分の足で 立ち上がる
こうした経験の すべてが
ゆっくりゆっくりと あなたを熟させてゆく
あなたを 成熟させる
あなたは ひとりの〈大人〉になる


仏陀の無垢は 成熟した人のものだ
完全に 熟しきっている



(01)終わり・・・(02)へ 続く