…( 所有され得るのは 物だけだ
人は無理だ
人というのは ひとつの自由だ
人が美しいのは その自由のせいなのだ )
羽を広げて 空を舞う鳥は 美しい
それを 籠に入れてごらん
それは もう同じ鳥じゃない
覚えておきなさい
見た目は 同じでも
それはもう 同じ鳥じゃない
空は どこにある ?
太陽は どこにある ?
あの風は どこにある ?
あの雲は どこにある ?
翼に乗った あの自由は どこにある ?
すべて 消え失せてしまっている
これは もう同じ鳥じゃない
あなたが ひとりの女性を 愛するのは
彼女が ひとつの 自由だからだ
それなのに，あなたは彼女を 閉じ込める
裁判所へ 行って 結婚し
きれいな
たぶん 黄金の鳥かごを 彼女のまわりに つくる
ダイヤモンドを ちりばめてーーー
だが，彼女はもう 同じ女性じゃない
そうして，今度は 恐怖がやって来る
あなたは こわい
こわいのは その女性が この鳥かごを 好まないかもしれないからだ
彼女は もう一度 自由を あこがれるかもしれない
そして，自由というのは 究極的な価値を持っている
人は それを 落とすことなど できるものじゃない
人間は〈自由〉で できている
意識というのは〈自由〉で できているのだ
(03)終わり・・・(04)へ 続く
