saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第七章 「 平安に住する者 」 (02)

 

こういうことがあった ーーー

チャーリーは、その朝、はじめて学校へ行ってきた

彼が家に帰ってくると、母親が言った

「まあ、チャーリー 学校は どうだった ?」

「とっても よかったよ

でも、ぼくは まだぼくの プレゼントを もらっていないんだ」

「あなたの プレゼントですって」

と、母親は 聞きただした

「それ、どういうことなの ?」

「先生は、ぼくを見たとき、こう言ったんだ

『坊や、 for the present ここにお座りなさい』

ぼくは午前中 ずうっと そこに座っていたのに、何も もらえなかったんだ !」

(※ for the present「当分」「さしあたり」の意味。 現在(プレゼント)と贈物(プレゼント)が同音)

 

さて、子供の理解は 子供の理解だ

そして あなた方も そんなものだ

仏陀に関するかぎり、仏陀の言辞に関するかぎり、あなた方は 小さな子供だ

彼の言辞は 究極の体験から 出ている

あなたは 非常に忍耐づよくなければならない

そうして はじめて、あなたの意識のなかで 何かが 明けはじめる

それらは きわめて 重要なものだ

たったひとつの 言葉でも理解されたら、それは 根源的であることが わかる

それはあなたを まさに 根っこから 変える

 

ある父親が、幼い息子を はじめてオペラに連れていった

指揮者が 指揮棒を振りはじめ、ソプラノ歌手が アリアを歌いだした

男の子は すべてを熱心に 見まもっていたが、ついに 訊ねた

「あの男の人は どうして あの女の人を 棒で ぶってるの ?」

「彼は ぶっているんじゃないよ」

父親は 説明した

「じゃあ、 どうして彼女は、金切り声を あげてるの ?」

 

あなたのマインドの なかには、何度も こういう考えが やって来る

仏陀は 何を言ってるのだろう ?

それは まったく気違いじみてみえる

それは 意味をなさない

それは 意味を超えている」

あなたは、自分より高いところへ昇るためには、勇気を 奮い起こさなければならない

あなたは、自分の手を〈彼方〉に向かって 差し伸ばさなければならない

これらの言辞の ほんの ひと言に触れることができるだけでも

あなたの生は 二度と同じではない

 

だが、それは むつかしい

私たちは 大地に根を張っている

私たちは 大地に根を張っている木々のようなものだ

仏陀は 大空に翼をひろげる鳥だ

いまや、大地に根を張る木々が

もう大地に 根を持たず、大空を飛び

大空の広大さ、無限性を知る鳥のメッセージを 理解しようとしている

彼は ちがう理解、ちがうヴィジョンを 持っている

そして その隔たりは 途方もなく大きい

 

仏陀が やろうとしていることの 一瞥を得られるのは、ほんの わずかの人々だ

絶対的な価値のある 何かが あなたに 伝えられようとしている

もし理解できなかったら、自分には 理解できないのだ ということを憶えておきなさい

あの 飲んべえの、煙草好きの、ポップコーン好きの牧師のように

仏陀は 狂っている」と 言ってはいけない

そう言ってはならない、それに 気をつけていなさい

仏陀は狂っている、と言う方が ずっと楽だ

そうすれば あなたは理解という責任から 解放される

そうすればあなたは『ダイヤモンド・スートラ』を 閉じることができる

そして そのことについて すべて忘れることができる

 

もしあなたが、「それは私を超えている」と 言ったら

そのときには 挑戦がある

あなたが

「おそらく私は とても幼稚で未熟なのだろう

私には 理解できない

私は 理解に向かって 成長しなければならない

仏陀が 狂っているなんてことが どうしてありえよう ?」と 言うとき

そのときには 挑戦がある、そして あなたは成長しはじめる

 

つねに 憶えておきなさい

けっして 他者に関して 決めつけないことだ

たとえ仏陀が 狂っている としても、それを 挑戦として 受けとめることだ

あなたは 何も 失わない

 

もし彼が 狂っているとしたら

そのときには あなたも

彼を理解する その努力のなかで 自分の限界を超える

もし彼が 狂っていないとしたら

そのときには、あなたは貴重な何かに 出会っている

そのときには、あなたは大いなる財宝に 出くわしている

 

(02)終わり・・・(03)へ 続く