saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第4話ーーーQ&A 最後の質問 「恐怖は欲望の副産物である」(01)

最後の質問ーーー (01)

“ 恐怖というのは どうしたらいいのですか ? 私は それに引きずりまわされるのに ほとほと疲れ果てています。 それはマスターされ得るのですか ?
それとも息の根を止めた方がいいのですか ?
どうしたらいいのでしょうか ? ”



質問は ラマナンダからだ

それは 殺すこともできないし,マスターすることも できない
それはただ 理解され得るだけだ
そして理解だけが〈変異 mutation〉を もたらす
ほかの何ものでもない

もし自分の恐怖を マスターしようとしても
それは 抑圧されたままだろう
それは あなたの中に深入りしてゆくだろう
それでは 役に立つまい
それは物事を 複雑にするだけだ
それは 浮かび上がってきている
あなたはそれを 押し殺すこともできる
それがマスターする ということの何たるかだ

あなたはそれが あなたの意識から完全に消え失せてしまうほどに それを深く抑えることもできる
そうすれば,あなたは二度と それを気にせずに済むだろう
だが,それは ちゃんと地下室にあるだろうし
何らかの力で あなたを引っぱるだろう
それは統御するだろう
それは あなたを操るだろう
ただし,それは あなたがそれに気づかないような
遠回しのやり方で あなたを操るだろう
だが,そうしたら危険は もっと深まったことになる
そうなったら あなたは それを理解することさえもできない


だから,恐怖というものはマスターされるべきものじゃない
それは 息の根を止められるべきものでもない
そして,それはまた 無理な相談だ
なぜならば
恐怖というものには ある種のエネルギーが内在しており
そして,どんなエネルギーも 破壊され得るものではないからだ
見たことがあるだろう
恐怖の中では あなたはすさまじいエネルギーを持っている
ちょうど怒りの中で 出てくるエネルギーと 同じことだ
その二つは 同じエネルギー現象の両側面なのだ
怒りは 攻撃的だし,恐怖は 非攻撃的だ
受け身だ
恐怖とは 消極状態にある 怒りであり
怒りとは 消極状態にある 恐怖なのだ

腹を立てたとき,自分が どんなに力強くなっているか
どんなに大変なエネルギーを持っているか 観察したことがないだろうか ?
あなたは 腹を立てていると 大きな石を投げることもできる
普通だったら それを揺さぶることさえ できやしない

あなたは 起こっていると 3倍か 4倍も 大きくなる
あなたは 怒りがなかったらできないような,ある種の物事を やることができる


あるいは また,恐怖の中では
あなたは オリンピック走者も やきもちを焼くような
ものすごいスピードで 走ることができる
恐怖というものは エネルギーを生み出す
恐怖は エネルギーなのだ
そして エネルギーというものは 破壊され得ない
一微塵のエネルギーといえども 存在から抹消され得ない


このことは たえず心に とめておかれるべきだ
さもないと,あなたは何かしら間違いを しでかすに違いない
何ひとつ 破滅させられるものはない
できるのは その形を 変えることだけだ
あなたは 小石のひとつも 破滅させられはしない
砂の小さな 一原子ですら 破滅させられ得るものじゃない
それは その形を変えるだけだろう
あなたは 水のひとしずくも 破滅させることはできない
それを 氷に変えることはできる
蒸発させることはできる
だが,それは 存続するだろう
それは どこかに存続するだろう
それが 存在から なくなることは あり得ない



(01)終わり・・・(02)へ 続く