saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第4話ーーーQ&A 最初の質問 (09)

…( 苦しみとは ひとつの 二律背反だ
あなたと真実との間の 分裂なのだ
真実と一緒になって 動いていないとき
あなたは 地獄に いる

真実と一緒に動いていれば,あなたは天国に いる
それだけのことだ
そして,それが理解されるべきすべてなのだ )


さて,この人は はるばるアメリカからやって来た
私のテープを 聞いているうちに
彼は私に 何かを感じはじめた
彼は ここまでやって来た
けれども,もしこれが 彼の見方だとしたら
彼は 取り逃がすに 違いない
そして,覚えておきなさい
それは私にとっては 問題じゃない
もしあなたが 私を 大エゴイストだと思うのなら
Thank you
それは 私にとっては問題じゃない
これは あなたの観念だ
そして,あなたは観念を持つ 完璧な権利がある
だが,あなたは
何がどうなるかについて あまりにも確信に満ちている


彼は言う
「私は幾多の宗教の大勢の聖者たちに会ってきましたが,彼らは みんなエゴイストでした」


あなたは どこに行っても
この同じメガネを かけていたに違いない
あなたは自分自身の現実(リアリティー)を つくり出し続ける
そして,その現実(リアリティー)は〈真実〉ではない

仏陀が〈無〉ということに〈無心 (ノーマインド)〉ということに
これほど力点を置くのは そのためだ
なぜならば,心(マインド)が 何の思考も持たないとき
あなたは 何も投影することが できないからだ
そうしたら,あなたは 在 る そ の も の を 見ないわけにはいかない

あなたが どんな観念も持たないとき
あなたが ただただ空っぽであるとき
ものを映し出す 一枚の鏡であるとき
それが何であれ あなたの前に来るものが 映し出される
だが,もしあなたが いろいろな観念を持っていたら
そのときには あなたは 物事を歪めてしまう
思考というものが歪曲の触媒なのだ


もしあなたが 私の中に エゴを見て取れるとしたら
あなたは 本当に 一種の奇跡をやっているのだ
だが,それは可能だ
そして,あなたはそれを 楽しむこともできる
けれども
あなたの観念で被害を被るのは あなたでしかない
ほかの誰でもないのだ
もし あくまでもこの観念が居座ったとしたら
私との間に 橋渡しのできる可能性は 何もあるまい
少なくとも あなたが ここにいる数日の間
あなたの観念を 脇に のけておきなさい
それに,ひとつ確かなことがある
あなたの心理学は あなたの役に立ってはいない
でなければ
こんなところに来る必要など 全然なかったはずだ


つい先日
彼は 私の前に坐って,彼の問題について語っていた
そして,ときどき私は 不思議に思ってしまう
彼は ものすごくたくさんの問題を 抱えている
それが なんと彼は グループリーダー (集団療法のセラピスト)なのだ

彼は みんなを どうするのだろう ?
どんな種類の手助けが 彼から望み得るのだろう ?

そして,彼は ものすごく太っていて
それさえも変えることができずに 食べ物を詰め込み続けている
そして,彼の問題というのはそれだった
そして,彼はものすごく怖気づいて
何度も何度も 私の秘書に個人的に会見したいと言い張った
自分は みんなの前では このことを話せないからだ,と言う
なぜだろう ?
みんなは あなたが太っているということぐらい わかるだろう
あなたが それを 話そうが話すまいが 関係ない
誰でも 目は持っているし
あなたは 太っている
そして,あなたが食べ物を詰め込み続けている というのぐらいわかる
ん? どうやって ブリンダバン(アシュラムの食堂)の みんなの目を 避けるつもりかね ?
彼らには わかってしまう


彼は 個人的な会見をしたかった
彼の問題を しゃべれるようにだ
そして,問題というのは 肥満だった
自分は絶えず食べ続けて,それを止めることが できません
どうしたらいいでしょう ? ーーー

あなたの心理学は そのぐらいのことにさえ 役立っていないのだ
それでも あなたは
自分の心理学は私を知る,私を見る力があると思っているのかね ?
自分のゲームに 騙されちゃいけない


それに,あなたは どんな聖者のところにも行ってやしない
私は そういう人たちが聖者じゃないと 言っているのじゃない
私が言っているのは ただ
あなたは そこに行ってきたかもしれないが
あなたは彼らとともにいやしなかった ということだ

もしあなたが 私と一緒にいられないとしたら
どうして彼らと一緒にいることが できる ?
あなたはどんな聖者のところにも行ってやしない
あなたがどこへ行ってきたにしろ
あなたは あなたの心理学をたずさえて
あなたが自分自身のまわりに寄せ集めた知識を 全部たずさえて行ったにすぎないのだ
そして,それは 何ひとつ あなたの役には立っていない
それは 無価値なのだ !
それなのに,あなたは 人々に助言し続けている

あなたは ほかの人たちにも同じ精神障害( trauma )を
コンプレックスを つくるだけだろう
セラピスト(治療家)が 役に立ち得るのは
彼の アドバイスが ほかの人に向かっているだけではなく
彼自身の人生で 彼が それを生き
そして,その真実を見ている場合に限る


あなたは
エゴを落とせ,心(マインド)を落とせ という時代を経た教えは 効き目がなかったと言う
それは 効き目があったのだ !
それは 私には効き目があった
だからこそ私は 効き目がある と言うのだ
それが あなたには 効いていないというのはわかる
だが教えそのものに 何も間違いはない
あなたの中の何かが おかしいのだ
あなたの中で それが効き目を現していないのは そのためなのだ
それは 何百万という人々の中で 効き目を現してきた
そして,ときにはあなたの お隣りさんが悟った存在であって
あなたには それがわからない ということも なきにしもあらずだ


こんなことがあったーーー

ひとりの探求者が アメリカから やって来た
彼は バングラデシュダッカ
ひとりの偉大なスーフィー神秘家が いるということを聞きつけていた
そこで彼は 一目散に駆け込んで来た
アメリカ人の常だ
彼は 一目散にやって来た
彼は 一目散にダッカまで 飛んで来ると
タクシーの運ちゃんを つかまえてこう言った
「私を こういう神秘家のところへ連れていってくれ」
そのタクシーの運ちゃんは 大笑いした
彼は こう言う
「旦那,本当に興味が あるんですかい ?
それなら旦那は うってつけの人間を見つけたもんだ
もし ほかの運転手に聞いても 誰も知りやしなかったでしょう
あっしは その男を 知っています
あっしは その男と50年近くも 一緒に暮してきたんでさあ」

「50年 ?
彼は いくつなんだい ? 」
アメリカ人は尋ねた
運ちゃんは
「彼も 50歳です」と 言う
アメリカ人は
この男は どうも頭が おかしいらしいと思って
ほかの運転手たちを 試してみた
けれども,誰も その男のことを知らない
そんなわけで
彼は この頭のおかしい男のところへ 戻って来ざるを得なかった


すると彼は 言う
「そう言ったでしょうが
誰も彼のことなんか 知りやしませんよ
あっしについてらっしゃい
ちゃんと連れて行ってあげましょう」
そこで,彼は そのアメリカ人を 連れ出した
そして,ダッカというのは 古い町で
小さな せせこましい道路が続いている
そこを 彼は何時間も あっちこっちとジグザグに進んで行く
そして,そのアメリカ人は この上もない幸福感を味わっていた
ん ? だって
目的地が どんどん どんどんと 近づいていたのだから
3,4 時間後
彼らは 一軒の小さな家
とても貧しい人の家の前に 停まった
そしてタクシーの運ちゃんは
「旦那は 待っていてください
あっしが マスターに会う手筈を整えましょう」と 言う

そうすると 今度はひとりの女が出てきて
彼に「マスターが あなたをお待ちです」と 言う
そこで 彼が はいっていくと
なんとそこには あのタクシーの運ちゃんが 坐っていた

そして,彼は言う
「おいで わが息子よ
お前の尋ねたいのは 何だね ? 」

そのアメリカ人は わが目を疑った
「あなたが マスターなんですか ? 」と 念を押してみた
すると 彼いわく
「私がマスターだ
そして私は この男と 50年間 一緒に暮らしてきた
そのことは ほかの誰も知らない」
そして,実に彼は マスターであることが 判明したのだ !


だが,あなたは あなたの観念をお持ちだ
なんで タクシーの運ちゃんが マスターなんかであり得る ? ーーー
ちょっと私のことを タクシーの運ちゃんだと 思ってごらん
あなたは 信じまい
どうかね ?
この心理学者の友人は 信じるだろうか ?

それは 不可能だろう
あなたは いろいろな観念を持っている
あなたの その観念のせいで
あなたのまわりにある たくさんのことを のがし続けている

マスターたちが 地上を留守にすることは けっしてない
マスターたちは あらゆるところにいる
ただ あなたが 見れないのだ !

そして,そういう人たちを見たくなると
あなたは バチカンに行く
あなたは何か
ローマ法王なら 悟っているに違いない という観念を持っているからだ
実際のところ
どうして 悟った人が ローマ法王なんかでいられる ?
悟った人なら 誰ひとりとして あんなナンセンスには 同意すまい
彼は それよりも タクシーの運ちゃんでいる方を 選ぶだろう


どうか ここにいる数日の間は
あなたの観念を 落としてほしい
自分自身を 開くのだ



(09)終わり・・・(10)へ 続く