saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第3話 ーーー 知識は禍いなり(01)

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“ ここでは,おおシャーリプトラよ,形象は空(くう)であり,そしてまさに空(くう)そのものが形象である。 空は形象と異ならず,形象は空と異ならない。 およそ形を持ったものはすべて空であり,空なるものはすべて形象である。 同じことが感覚,知覚,衝動,そして意識についても真である。 ここでは,おおシャーリプトラよ,一切のダルマは空の様相を呈している。 それらは生み出されることも止められることもなく,汚されることも清浄であることもなく,足りないことも完全であることもない。 ”



知識というのは禍いだ
災難だ
ガンだ
人間が (全体 whole) から分裂してしまうのは
知識を通してにほかならない
知識が距離を つくり出す

山で 野生の花に出くわす ーー
あなたは それが何であるか知らない
あなたの 心(マインド)は それについて何も言うことがない

心(マインド) は 静かだ
あなたは その花に目を向け
あなたは その花を 見 る
だが,あなたの中には 何の知識も湧き上がってこない
そこには 驚きがある
そこには 神秘がある
その花は そこにある
あなたは そこにいる
驚きがあるとき,あなたは 別々じゃない
あなたは ひとつながりにつながっている


もしあなたが
これは バラだとか,マリーゴールドだとか
何か ほかの花だとかいうことを 知っていたら
まさに 知っている というそのことが
あなたを 切り離してしまう
花はそこにあって,あなたはそこにいる
が,そこには何の橋もない
あなたは もう 知 っ て い る のだ
知識は 距離をつくってしまう
あなたが 知っていれば知っているほど
その距離は大きくなる
知らなければ知らないほど,その距離は小さい
そして,もしあなたが 知 ら な い という瞬間の中にいたならば
そこには 何の距離もない
あなたは 橋渡しされているのだ


女の人 あるいは男の人と 恋に落ちる
あなたが恋に落ちた その日 ーー
そこには 何の距離もない
そこには ただ驚きだけがある

ひとつのスリル
ひとつの興奮
ひとつのエクスタシー
だが,何の知識もない
あなたは この女の人が 誰だか知りはしない
知識がなければ
そこには何ひとつ あなた方を分けるものがない
だからこそ,こうした愛の最初の瞬間の 美しさがあるのだ
だが,その女の人と 24時間 一緒に暮らしてしまったら
もう知識が湧いている

もう,あなたは その女の人について 何か観念を持っている
彼女が誰か ーー
あなたは 知っている

そこには ひとつのイメージがある
24時間が ひとつの過去をつくってしまっているのだ
その24時間が 心(マインド) に いろいろな痕跡を残している

あなたがその 同じ女性を見ても
そこには もう同じ神秘はない

あなたは 山から下りて来つつある
頂きは 失われている


これを 理解することは,多くのことを理解することだ
知識 というものが 分割する
知識 というものが距離をつくる ということを理解するのは
まさに 瞑想の秘密を 理解することなのだ

瞑想とは 知 ら な い 状態を指す

瞑想とは 知識に邪魔されない純粋な空間(スペース) のことだ

そう,人間は知識によって
知識の木の実を食べることによって堕落した という聖書の物語は本当だ
世界の ほかの経典類で あの上を行くものはない

あのたとえ話は たとえ話の決定版だ
ほかの どんなたとえ話も
あれだけの高みと洞察に達してはいない


(02)へ 続く