saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

ダイヤモンド-スートラ OSHO 金剛般若経を語る 03



(…仏陀は、欲望とは ランプの油のようなものだと言う
もう油が なくなったら、その炎は ひとりでに消える)


マインドを ランプとして考えなさい
マインドを モック-ショーとして、マジック-ショーとして考えなさい
そこには何も実態的なものはない
それは 一種の催眠状態だ
催眠術師が あなたを催眠にかけて「ごらん、動物が、 ラクダがやって来る」と言う
するとマインドには ラクダの姿が浮かび上がり、あなたはラクダを見はじめる
そして ラクダはそこにいる、あなたにとってはねーーー
みんなが笑っている
誰も ラクダを見ていないのに あなたはそれを見ているからだ


あなたのマインドは マジック-ボックスだ
それこそ仏陀が 何度も何度も言ってきたことだ
それは さまざまな幽霊や 想像を創り出しつづける
それらのなかには実体は いっさいない
しかし、あなたが信じたければ それらは現実的になる
あなたのマインドは 大いなるモック-ショーだ

実のところ、英語のマジックという言葉は インド語のマーヤから来ている
マーヤとは幻想を意味する
さまざまな幻想が生み出されうる
そして 人はみな幻想を生み出している

あなたは ある女性を見る
だが、けっして、彼女を あるがままに見ない
だから あとになって あれほどの失望を味わう
あなたは、そこにいないものを、マインドの 投影でしかないものを見はじめる


あなたは 美を投影する
あなたは そのかわいそうな女性に 千と一つのものを投影する
あなたが もっと近よって、その女性と いっしょに生活できるようになると
それらの幻影は 徐々に消えはじめる
それらの想像は、そう長いあいだ 実態(リアリティ)にさからって持続することはできない
その女性の 実態が現れる
そうなったら あなたは だまされたと感じ、彼女が 自分をだましたのだと思う


彼女は 何ひとつ してはいない
彼女自身、あなたに だまされたと感じている
というのも、彼女も あなたに何かを 投影していたからだ

彼女はあなたを アレキサンダーか誰かのような英雄で、偉大な男だと思っていた
そして いまやあなたは ただのネズミであって それ以外の何ものでもない
彼女は あなたのことを 山だと思っていたが、実は もぐら塚でさえない!
彼女は だまされたと感じる

あなた方は 二人とも だまされたと感じる
あなた方は 二人とも 失望を感じる


私は聞いたことがあるーーー
ある女性が 行方不明者相談所へ訊ねて行った
「私の夫が 昨夜、 失踪したんです」
と 彼女は報告した
「ご主人を見つけ出すために 最善を尽くします」
係りの人は 彼女に請け合った
「どうか ご主人の人相をお教えください」

「そうですね」 彼女は ちょっと間をおいて、こう言った
「背の高さは 約五フィートで、厚いメガネをかけていて、はげ頭で
大酒飲みで、赤鼻で、キーキー声で……」
そこまで言うと 彼女は止めて、一瞬考えて こう言った
「ああ、 どうかこのことは 全部忘れてください!」


もしあなたが 実態(リアリティ)を見ると、それが その在り方だ
そして「ああ、 すべてのことを忘れてください」と 言う
しかし、あなたは 見ない
あなたは 投影しつづける


ある日、ムラ-ナスルディンが 私に言った
「私の伯父さんは 何年もイタリアに住んでいてね
彼は ワインと女と歌が原因で死んだんだ」
私は彼に言った
「ナスルディン
おまえの伯父さんが そういうオマール-ハイヤームばりの人だったとは
私は 思ってもみなかった
その伯父さんについて もっと何か話しておくれ
私は 興味がある」
ムラ-ナスルディンは 言った
「実際のところ、それは きこえほどロマンティックじゃないんだ
私はあなたには ほんとうのことを隠さないよ
実を言うとね、バグワン
彼は、 若妻のいる窓の下で 下品な歌をうたっていたんだ
すると亭主が出てきて、キアンチ(イタリア産ワイン)の瓶で 彼の頭を打ち砕いたんだ
彼は、 酒と女と歌で 死んだってわけですよ」


それが 私たちが つづけているやり方だ

現実は けっして失望しない
現実は つねに満ち足りている

失望が来るのは、私たちが 自分の投影を 現実の上に押しつけるからだ


仏陀は、それは まぼろし(モック-ショー)だと言う
注意しなさい、あなたの マインドは魔術師だ
それは あなたに そこにないもの、そこに一度も存在したことのないものを見せる
それは あなたを欺く
それはあなたのまわりに 非現実的な世界を創り出す
そして、あなたは その非現実的な世界のなかに生きる

樹々や小鳥、動物や山という この世界は非現実的ではない!
しかし、あなたの マインドが創り出す世界は 非現実的だ


あなたが、仏陀のような人たちが 世界の非現実性について語るのを聞くとき
彼らを 誤解しないようにしなさい

彼らは 樹々が 非現実的だと 言っているのではない
彼らは 人々が 非現実的だと 言っているのではない
彼らが意味するのは
あなたが現実について 考えてきたことは 何であれ非現実的だということだ

あなたの マインドは非現実的だ
ひとたびマインドが落ちたら、すべては現実的だ
そうなったら、あなたは 如性のなかに生きる
そうなったら、あなたは タタターになる
そうなったら、あなたは 如性だ


教授は 午前八時のクラスの学生たちに話していた
「一日を始めるのに 一番いい方法は
まず五分間の体操をして、深呼吸して、最後に冷たいシャワーを浴びることだ
そうすれば すっかり ローズィ(陽気)な気分になる」
教室の 後ろの方から ねぼけ声が答えた
「ローズィ(女性の名)のことを、 もっと話してください!」


マインドは何にでも とびつき、投影する用意ができている
マインドには 非常に注意深くありなさい
これが 瞑想のすべてだ
注意深くある ということ、マインドにだまされない ということがーーー



五番目だ
マインドを 露の玉として考えなさい
非常に はかない……露の玉は ほんのつかのましか存在しない
朝日が昇ると それは蒸発する
そよ風が吹くと それはすべって落ちてしまう


マインドもそうだ
それは まったく真実を知らない
それは まったく永遠を知らない
それは 時間的な現象だ

それを露の玉として考えなさい
しかし、あなたは それを真珠やダイヤモンドとして考えている
あたかも それが じっとしているものであるかのようにーーー

そしてあなたは 仏陀を信じる必要はない
ただ 自分のマインドを 観察すればいい
それは 二つの連続的な瞬間のあいだにあってさえ 同じではない
それは 変化しつづける
それは 流転だ
それは ある瞬間には これであり、別の瞬間には あれだ
あなたは ある瞬間には 深い愛のなかにあり、別の瞬間には 深い憎しみのなかにある
あなたは ある瞬間には 非常に幸福だが、別の瞬間には 非常に不幸だ
あなたのマインドを ただ 見まもるのだ!


このマインドに 執着すると、あなたは いつも混乱したままだ
あなたはけっして 静寂にとどまることができないからだ
あれやこれやが 起こりつづけるからだ
あなたはけっして〈永遠〉を 味わうことができない
そして その味わいだけが 満足をもたらす
時間は たえまない変化だ


そして六番目ーーー
マインドを 泡として考えなさい
あらゆるマインド体験は 遅かれ早かれ 泡のようにはじけ散る
しかる後に 手の中に〈無〉だけが残る
マインドを 追いかけるがいいーーーそれは 泡だ
ときとして泡は 非常に美しくみえる
陽ざしのなかで、それは虹のように みえるかもしれない
それは虹の色を すべて持っているかもしれない
それは ほんとうに魅惑的で きらびやかにみえる
しかしそれに 飛びかかってごらん
掴まえてごらん
そうすれば、掴まえた瞬間それは もうそこにない


それが あなたの生のなかで 毎日 起こっていることだ
あなたは あれやこれやを 追い求めつづける
そして何かを 掴まえた瞬間、それはもう 同じものではなくなる
そうなったら 美しさはすべて去る
その美しさは あなたの 想像のなかだけにあるものだった
そうなったら 喜びはすべて去る
その喜びは あなたの 願望のなかだけにあるものだった
そうなったら、あなたが 起こるだろうと考えていた その歓喜はすべて起こらない
それらは あなたの想像のなかだけにあるものだった
それらは 待つことのなかだけにあるものだった


現実(リアリティ)は そういう泡のような想像とは全面的にちがう
それらは すべてはじけ散る
失敗が失望を生むように、成功もそうだ
成功もまた 失望をもたらす
成功した人たちに聞くがいい
貧しさが失望を生むように、豊かさもそうだ
金持ちに聞くがいい

良いものであろうと 悪いものであろうと、あらゆるものが 失望をもたらす
なぜなら すべては マインドの泡だからだ
しかし、私たちは その泡を 追いつづける
追うばかりか、それらを ますます大きくしようとしている
世の中には あらゆる体験を大きくしようとする 熱狂的性癖がある


異民族の学生グループが
象に関する 個人的論文を書くよう求められた、その結果に関する話がある

ドイツ人の学生は、戦争における象の利用法について書いた
イギリス人の学生は、象の貴族的な性格についてだった
フランス人の学生は、象どうしの愛の営みについてだった
インドは、象の哲学的態度についてだった
そしてアメリカ人が選んだ主題は「いかにして 象を大きく、より良くするか」だった


マインドは たえず考えている
マインドは アメリカ人だ
いかにして物事をより大きくするかーーー
より大きな家、より大きな車……なにもかもが、より大きくなければならない
そして当然、より大きく なればなるほど、それだけ泡は はじけ散りやすくなる
小さな泡は 水面を少し長く漂えるかもしれない
が、大きな泡は それほど漂うことすらできない

アメリカ人の欲求不満は ここから来ている
アメリカ人ほど欲求不満になっている者はいない
アメリカ人のマインドは、泡を うんと大きくすることに成功してきた
いまやそれは いたるところから はじけている
いまやそれを保護し、それを救う可能性はないようにみえる
それは 爆発しつつある
そして 誰もまちがっていない
「その爆発は我々の最も深い欲望だ
我々は それに成功した」とは 誰も思っていないからだ
成功ほどの失敗はない


04へ つづく