saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第四章「自由への恐れ」(17)


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(17)

( 奥深いところで、それは 自らの決断、意志決定、意志的な行為に 従うか 従わないか という問題だ。

何が 問題の対象であろうと、 関係ない。)

 

だが 決意することで、小さな 意志決定で、大いなる意志を 生み出すことが できる・・・ほんの小さな意志決定で。

 

ただ こう言いなさい。

「私は 一時間、 窓の外を 見ない」

それは 意味のない・・・無意味な、ごく小さな 意志決定だ。

あなたが 窓の外を 見ようが 見まいが、誰が そんなことを 気に留めるだろう ? 

 

それに、窓の外では 何ひとつ起こっていない。

だが あなたが 窓の外を見ない と 決意した瞬間、あなたの全存在が その決意に反抗し、見たい という思いが 湧いて来る。

すると、その窓が 全世界で「最も気になること」に なるだろう。

 

あたかも すべてを 取り逃がしているような・・・

窓の外で きっと何かが起こる、という気になる。

 

 

ある日 ムラ・ナスルディンは、市場には行くまい と 決めた。

それは ちょうど、早朝の 五時だった。

だから、市場に 行く行かないの 問題ではなかった。

が、彼は 市場に行くまい と 決めた ! 

 

その後で、彼は 市場のことを 考え始めた。

彼は 毎週、週に 一度、村の市場が 開かれる日だと 覚えていたために、そう決意した。

「毎週、売るものも 何もなく、買うものも何もないのに、必要もなく市場に 行っている」と 思った。

彼は 貧しい男だった。

「何一つ 売るものもなく、何一つ 買うものとてない !」

そこで 彼は思った。

「何で 必要もないのに市場へ 行かなければならない ?

みんなが 行くから ? その日は 市場が開かれる日だから ? 村の お祭りの日 だから ?

何で 俺が 行かなければならない ?

強は市場が開かれる日だが、俺は行かないんだ」と。

彼は 早朝五時に そう決意した。

その後、彼は そのことを 考え始めた。

「もし そこで何かが起こったら どうしようか ?

何かが起こったら、俺は行くべきだ」と。

 

彼は さんざん考えた。内心、 落ち着かなかった。

それから六時 までには、彼は 市場に いた。

人々が集まって 市場が開くまで、まだ 四、五時間ある。

しかし彼は 市場の 真ん中にある 一本の木の下に座っていた。

 

誰かが ムラ・ナスルディンに 聞いた。

「どうして こんなに朝早く、座っているんだね ? 」と。

すると ナスルディンは 言った。

「今日は市場が開かれる日だ。

そこで、もし何かが起これば、大群衆が ここに集まった時、都合のいい場所を 確保できないかもしれないと 思ったんだよ。

だから、市場の真ん中の ここに座っているんだ。

もし何かが 起これば、俺が 一番乗りだ。

誰に わかるだろう ? 

この世では 何が起こっても不思議ではないからな」と。

 

市場は とても重要なもの、世界の中心になった。

「毎週、 売るものもなく、買うものもなく 必要もないのに 市場へ行っている。

だから、もう俺は市場へ行かない」と 決意したために、それが 市場へ行きたい という衝動になった。

 

何かを 決意した瞬間、あなたは それをしたくなる。

そして、その衝動を 越えていくことが 一つの成長だ。

覚えておきなさい。 それは 抑圧ではない。

それは抑圧ではない !  それは 超越だ。

衝動は そこに有る。

あなたは その衝動と 闘わない・・・あなたは その衝動を 知る。

あなたは言う。

「オーケー、お前は そこにある。 でも、 私は 決意した」

それを あなたの瞑想として やってごらん。

 

あなたは 座っている。

瞑想のために 座っていると、いろんな思考が 訪れるだろう・・・招かれざる客が。

 

それらの思考は、普段は 決してやって来ない。

あなたが 瞑想するときに 限って、

それらの思考は あなたに 興味を持つ。

それらの思考が やって来る。 それらは 群衆だ。

そして あなたを 取り囲む。

 

そのとき、それらの 思考と 闘わないこと。

ただ こう言いなさい。

「私は お前なんかに 心乱されない と 決めたんだ」と。

そして、穏やかなままで いなさい。

 

一つの思考が あなたのところに 訪れる。

そのとき、その思考に、ただ こう言いなさい。

「どこかへ行け 」と。

その思考と 闘わないこと ! 

 

闘うことで 思考を 認めたことになり、闘うことで、思考を 受け入れることになる。

 

闘うことは、自分が その思考より弱い という証明だ。

だから、ただこう言いなさい、「どこかへ行け」と。

そして 静かなままでいること。

すると、あなたは 驚く。

「どこかへ行け ! 」と 思考に ただ言うだけで、思考は 去る。

だが、意志を持って そう言うことだ。

マインドが 分裂していては駄目だ。

 

その言葉は、女性の ノーのようではいけない。

そうであっては 駄目だ。

女性の ノーは、その言葉が 強ければ強いほど、余計、イエスという意味を 表しているからだ。

それは 女性の ノーのようであってはならない。

もしあなたが「どこかへ行け ! 」と 言うなら、それは 心の内で「近くに来い」という意味であってはならない。

そう言うなら、「どこかへ行け ! 」という言葉の通り、手出しをせず、行かせなさい。

言葉通りで ありなさい。

すると その思考は 消え去るだろう。

 

 

(17)終わり(18)へ 続く