saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第3章「覚醒の炎」by OSHO (01)

「究極の錬金術 (Ⅱ)」by OSHO
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「覚醒の炎」(01)

『意識の太陽の内に自身を確立すること。

それが唯一の明かりだ』

 

ある日、一人の婦人が 小さな息子を連れて、ムラ・ナスルディンの学校に やって来た。

婦人は ムラに、息子を脅かしてくれるようにと頼んだ。

その子は規則を守らず、誰の言うことも聞かなかった。

ある大きな権威で驚かされることが必要だった。

ムラは 彼の村では、もちろん大きな権威があった。

 

彼は とてもおそろしい格好をして。

ムラの目は 大きく剥かれ、強烈に輝いていた。

そして彼は ジャンプし始めた。

 

その婦人は「もうムラを止めるのは無理だ・・・息子を殺してしまうかもしれない」と思った。

婦人は気絶し、その男の子は逃げた。

 

そしてムラは、自分自身 余りに恐くなり、学校の外に 逃げ出さねばならなかった。

彼は 学校の外で待ち、婦人が戻ってきた。

彼は ゆっくり静かに、深刻な様子で 中に入った。

すると婦人は言った。

「ムラ、 変じゃないですか !

私を脅かすようになんて 全然頼んでいなかったのに」と。

すると ムラは言った。

「あなたは真実が わかっていない。

驚かされたのは、 あなただけではありません。

私自身、 自分に驚かされたのですよ。

恐怖が私の心を 乗っ取った時、 その恐怖は全てを壊してしまった。

始めるのは簡単でも、 コントロールは難しいのです。

芝居を始めた時は 自分が主人だったのですが、 その恐怖が すぐに私を乗っ取ってしまいました。

その恐怖が 主人になり、私は奴隷になったのです。

自分には 何もできなかった。 それ以上に、恐怖は決して情けをかけません。

恐怖が 人の心を打ちのめすと、 全てを打ちのめすのです」

 

この話は、人間のマインドへの 深い洞察を示す、素晴らしい たとえ話だ。

あなたは、最初だけは 全てに意識的だが、その後には 無意識があなたを 乗っ取る。

無意識が あなたの意識を乗っ取ってしまい、無意識が あなたの主人になる。

 

あなたは「怒り」を 始められるが、決して終えることは できない。

むしろ「怒り」が あなたを終わらせる。

 

あなたは 何でも始められるが、遅かれ早かれ、無意識があなたを 乗っ取る。

あなたは 義務から解放された。

事は 始めだけ あなたの手の内にあり、終わりは 決して手の内にはない。

あなたは、事の顛末の 主人ではない。

それは 自然だ。 というのも、マインドの ごくわずかな断片しか、意識的ではないのだから。

 

それは ちょうど、自動車のスターターのような働きだ。

スタートすれば もう用はない。 後は 車が勝手にやる。

それは スタートする時だけ必要だ。

それなしでは、スタートは困難だ。

が、自分が 何かを始めたのだから、自分が その主人であると思い続けていてはならない。

それが このたとえ話の 秘密だ。

 

自分が始めたのだから、自分が 事の主人であると、あなたは 思い始める。

自分が始めたのだから、自分で それを止められる、と あなたは思う。

あなたが それを始めたのではないかもしれないが、それは また別のことだ。

が、一度 始まってしまえば、自発的なものは やがて 非自発的になり、意識的なものは 非意識的になる。

意識は 表層のことだけであり、マインドの表面に あるに過ぎないからだ。

一方、マインドの ほとんど全体が 無意識だ。

あなたは 事を始める。

無意識は活動し、働き始める。

 

ムラは 言った。「起こったことに対して、 私には責任ないよ。

責任などない ! 始めだけは、 責任が あった。

でも、 お子さんを恐がらせるようにと 言ったのは あなたですよ。

それで、 私は お子さんを恐らがせ始めたのです。

それで お子さんが恐がり、 あなたは気絶し、私が恐くなり、 全てが滅茶苦茶になってしまったのです」。

 

我々の生も、全てが 滅茶苦茶だ。

意識的に 始めたことを、無意識が常に引き継ぐ。

 

 

(01)終わり(02)へ 続く