saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第1章「人間 −− 永遠と永遠の架け橋」(06)


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(06)

( …あなたが 何をしていようと、ただ座っていても −−− 

二つの方向へ同時に放たれている意識を持つことだ。

外で 何が 起こっているのか、

また 内には 誰がいるのかを、覚えておくことだ )

 

 

臨済が 朝の説法をしていた。

そこへ誰かが 突然 こう尋ねた。

「ちょっと私の質問に 答えてください。 私は誰なのですか ? 」と。

臨済は台から 降り、その男のところへ 歩み寄った。

堂 全体が 静かになった。

彼は 何をしようとしていたのだろう ? 

 

それは 単純な 質問だった。

彼は 自分の席から答えるべきだった。

臨済は その男のところに やってきた。

堂全体が 静まりかえった −−− 

 

臨済は 質問者の前に立ち、彼の目を のぞき込んだ。

それは 何かを 射抜く瞬間だった。

全てが 止まった。 質問者は 汗を かきだした。

 

臨済は ただ、 彼の目を 凝視していた。

そして 臨済は こう言った。

「私に聞くんじゃない。 内へ入り、誰が その質問を聞いているのかを 見つけ出すのだ。

目を閉じなさい。 『私は誰か?』と 聞くんじゃない。

内へ入り、誰がそれを聞いているのか、その質問者が 誰なのかを 見つけ出しなさい。

私のことは忘れなさい。 質問の根源を見つけ出すのだ。

深く 内側に 入って いきなさい ! 」と。

 

目を閉じた その男は 静かになり、

突然 悟りの人 となった と言われている。

彼は 目を開け、笑い、臨済の足に触れ こう言った。

「あなたは 質問に 答えてくださった。

私は その質問をあらゆる人にし続けてきました。 そして たくさんの答えが与えられました。

でも、どの答えも 本当の答えではありませんでした。

でも あなたは質問に答えてくださった」と。

 

「私は 誰か ? 」−−− 誰が この質問に答えられる ? 

 

が、その特殊な状況において −−− 

千人が 静かに 座り、水を打ったような静けさのなか −−− 

臨済が 目を見張りながら やってきた。

そして その男に こう指図した

「目を閉じ、内へ入り、質問者を 見つけ出すのだ。

答えを 待つのではない。 質問者を 見つけ出すのだ」と。

男は 目を閉じた。

その 状況のなかで、いったい何が 起こっているのだろう ? 

 

彼は 統一した。 突然、 彼は 統一した。

そして 突然、彼は 心の 最も奥深い場所に 気づいた。

 

それを 発見することだ。

気づき とは、 心の 最も奥深い場所を 発見する 方法だ。

 

無意識で あれば あるほど、自分自身から 遠く離れていく。

 

意識的に なれば なるほど、自分自身の 近くに ある。

もし全部が 意識的になれば、あなたは 中心にいる。

もし意識が 少なければ、あなたは 周辺近くに いる。

無意識なら、あなたは 中心がまったく忘れられている 周辺に いる。

それらが 動きの 二つの可能性だ。

 

あなたは 周辺へと 動くことも できる。

すると、無意識へと 動くことになる。

 

映画館に座って、あるいは どこかに座って 音楽を聴き、自分を 忘れることができる。

その時、あなたは 周辺にいる。

私の 話を聞いていても、あなたは 自分を 忘れられる。

その時、またしても あなたは周辺に いる。

 

ギータを読んでいても、バイブル、 コーランを読んでいても、あなたは 自分を 忘れることができる。

その時、あなたは 周辺に いる。

 

あなたが 何をしようと、もし 自分自身を 想い起こして いられれば、あなたは中心の近くに いる。

そうしていると、ある日 突如として、あなたは 統一する。

そのとき、あなたには エネルギーがある。

そのエネルギーを、 この経文は「火だ」と言う。

 

 

 

(06)終わり(07)へ 続く