『人間は神に何を捧げられるか ?』(18)
(…でも 明かりをつければ、闇は ない )
実際、闇には 時間がない。
闇は 期間的に あるだけだ。
私が「期間的にある」と 言うのは、一つ、もう一つと 積み重なっていくものではない、ということだ。
だから 闇は 厚くならない。
一瞬の闇の 厚みは、 一年間の闇、
一世紀の間の 闇の厚みと 同じものだ。
闇は それ以上に 厚くならない。
闇とは、一つ、もう一つと 積み重ならない。
それは 瞬間ごとに、積み重なっていくものではない。
闇は、蝋燭の灯りが 貫けないほど
厚く、重くなるものではない。
それは時間に関わらず、同じままだ。
闇は 期間的に存在するにすぎない −−− どんな厚みも重ねず、単に 期間的にあるにすぎない。
無知とは、ちょうど闇のようだ −−− 期間的なもの。
あなたは 何世紀、何千年にも渡って 無知の中に生きる。
が、一瞬の決意で、闇は もう 存在しない。それは ちょうど、明かりのようなものだ。
明かりが あれば、闇は 存在しない。
(18)終わり(19)ヘ 続く