saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第8話 ーーー Q&A 五番目の質問

「物質宇宙の意味」

五番目の質問ーーー

“ もし人間の宿命が 究極的には それを超越することだとしたら,物質的な宇宙には 何の意味があるのですか ? ”



そこが 意味なのだ
さもなければ どうやってあなたは 超越する ?

宇宙は それを超越するために 必要なのだ

悲劇は それを超越するために 必要とされる

暗闇は それを超越するために 必要とされる

自我(エゴ)は それを超越するために 必要とされる
なぜならば
あなたが超越して はじめて,そこに よろこびが
祝福が あるからだ


あなたの質問は わかる
これは 何度も 何度も 何度も 問われたことのある
実に いにしえの 問いだ

というのも,それは 心(マインド)を 混乱させるからだ
もし神が 世界をつくったのだとしたら
なぜ彼は その中に 不幸なんか つくったのだろう ?

彼は あなた方に
至福を贈り物として くれたって よかったはずだ
それなのに,なぜ彼は 無知を つくったりしたのだろう ?

彼には そもそもの はじめから悟った存在を つくり出すだけの力が あるんじゃないのか ? ーーー


その通り
そして,それが彼の やっていることなのだ
しかし
神といえども 不可能を起こらしめるだけの力は ない
可能なのは 可能なことだけだ
あなたに 病気になるだけの 力があってこそ
何が健康なのかを 知ることができる
さもなければ それは わからない

あなたは 暗闇とは何かを知って はじめて光を 知ることができる
あなたは 緊張とは何かを知って はじめてくつろぎを 知ることができる
あなたは 束縛とは何かを知って はじめて自由を知ることができる
それらは ペアーなのだ

神といえども
あなた方に 純然たる自由を与えるだけの 力はない
自由とともに
その 同じ包みに はいって 束縛が来る

そして,自由を 味わうには
あなたは束縛を 通って行かなくてはならないのだ


それは ちょうど
お腹が空いていなかったら 食べ物を楽しめないのと 似ている
あなたが 聞いているのは 空腹の必要性とは何ですか ということだ

なぜ我々は 空腹抜きで 食べ続けられないのか ? ーーー
空腹が 一種の痛みを つくり出す
空腹が 必要を つくり出す

そういうときに食べればこそ
そこに よろこびが ある

空腹がなかったら
そこには何のよろこびも あるまい

空腹を失ってしまった ごくごく裕福な人たちに 聞いてみるといい
彼らは 食べ物を楽しまない
楽しめない のだ

空腹の強烈さが よろこびをもたらすのだ
一度 食べたら,もう一度 食べ物を楽しむのに
6時間か 7時間か 8時間,断食しなければならないのは そのためだ
存在は 弁証法的な ものだ
闇と 光
生と 死
夏と 冬
青春と 老い ーーー

それらは みな 二つひと組なのだ

あなたは
“ もし人間の宿命が 究極的に それを超越することだとしたら,物質的宇宙には 何の意味があるのですか ? ” と 聞く

まさしく そこが ポイントなのだ
宇宙は
あなたが それを 超越するために つくられている

さもなければ,あなたはけっして 超越の何たるかを知るまい
あなたは至福に満ちたままで いることもできる
だが,何が 至福かを知ることなく至福に満ちたままでいることになど 何の値打ちもありはしない

そして
知る ということは 反対のものを通して はじめて可能になる

それが 答えだ



(五番目の質問)終わり・・・六番目の質問へ 続く