saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第8話 ーーー Q&A 三番目の質問

「“特別な誰か” という幻想」

三番目の質問ーーー

“バグワン,あなたは先日 もし自分がタクシーの運転手だったら,誰もあなたを認められないだろう と おっしゃいました。私は それには うなずけません。少なくとも ひとり,私は あなたを認めるでしょう。 ”



マダム
私は あなたの 仰ることを信じない

あなたは 自分自身について 充分 ご存知ないのだ
私に対する あなたの愛は ありがたくいただく

けれども,あなたが私を 認められるだろうとは 思えない
ひとつ 実話を 話してあげよう

私は 一時
インドの ある街で,ある家族と 長年 一緒に暮らしていた
とても豊かな 一族
百万長者だ
主人は 私を 非常に尊敬していた
彼は 弟子のひとりだった
私が その街に行くと
彼は 触れられるだけ 何回でも 私の足に触れた
少なくとも 4回か 5回

それから 7, 8年後
彼が 私の住んでいた ジャバルプールの私のところを 訪れようとした
彼は やって来た

ちょっと彼を まごつかせてやろう
ちょっと彼を 混乱させてやろうと
私は 駅まで彼を 迎えに行った

それは彼には 予想外のことだった
私が彼を迎えに 駅まで出向くなんて ーーー

彼は,昔は私の足もとに 崩れ込むようにしていた
が, その日
彼は 私の足に触ったことは 触ったが 半信半疑だった

というのも,彼の中に 大きなエゴが 起こったからだ
私が 彼を 出迎えに行った ーーー

彼の方は 7年もの間
よく私を 出迎えに来てくれたものだった

そして,毎年
少なくとも 3, 4回 私は彼の街を 訪れた

彼は こんなことは 予期していなかった
誰かが そこにいて
彼を 私のところに 連れて来るものだとばかり 思っていた
ところが 私が自分で 彼を迎えに来るなんて ーーー

そんなことは 夢にも見たことがなかった

彼は 内側で
「自分は “特別な誰か” だぞ
百万長者なんだ」,と つぶやいていたに違いない

その日 彼は ひれ伏した
が,まるで 半身だった

どうして誰か 自分に大変な敬意を表して 駅まで迎えに来てくれた人に
ひれ伏することなんて できる ?


私たちが 駅から出て来て
私が 家まで車を運転して行こうと しているのを 見るや
もう彼の尊敬は いっぺんに かき消えてしまった

それからというもの
彼は 友だちどうしのように しゃべりはじめた

その百万長者は やけになれなれしい長者さんと 化した

そして 3日後,彼が 発つとき
ーーー私は さよなら を 言いに 彼を送りに行ったのだが ーーー
彼は 私の足になど 触れもしなかった


そして,その頃 私が一緒に住んでいた 一家の人たちは
みんな 私が彼に 冗談を仕掛けているのだ ということを 知っていた
それを,かわいそうな彼氏は まんまと引っかかってしまったのだ

汽車が出るや
彼らは全員 大笑いした
私は こう言った
「待って ごらん
この次 彼が 来るときには
彼は 私が彼の足に触れるのを 期待して来るよ
絶対に 間違いない
彼は 力ずくでも私に彼の足に触らせるから」


それが 現実だ
それが 心の働き方だ

あなたは私を認め,私を 愛している
が,あなたは 自分自身の 心(マインド) を ご存知ないのだ

そして,その実験で私は 私の百万長者の弟子のひとりを 失ってしまった
私は そうやって大勢の信奉者を 失ってきた
けれども 私は 実験し続けている



(三番目の質問)終わり・・・四番目の質問へ 続く