saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第7話 ーーー 〈無〉に 帰依する (10)

まず彼は
“ 彼の無達成のたまものである ” と言う

瞑想は 達成され得るものじゃない
なぜならば,瞑想は動機を持ち得ないからだ

あなたが 何かを達成するとき
それは ひとつの動機を通じての達成だ
何かを達成するとき
あなたは 必ず 未来のために働き
未来のために 計画しなければならない
何ひとつとして いまのいま達成できるものなんかない
瞑想を除いては ーーー

くり返させてほしい
あなたが いまのいま 達成できるものなど何ひとつとしてない
瞑想を 除いては ーーー

なぜか ?

もし お金が欲しいとしても
それは いまのいま達するわけにはいかない
あなたは それに向かって 一生懸命 働かなければならないだろう
合法にしろ 非合法にしろ ーーー

ん ? とにかく,あなたは それに向かって働かなければならない


ゆっくりとした やり方もある
あなたは ビジネスマンになってもいいだろう
そして もっと早いやり方もある
あなたは 政治家に なってもいい
だが,あなたは 何か やらなくてはなるまい
ゆっくりにしろ 早くにしろ
とにかく 時間がかかる
時間は 不可欠だ
時間なしには お金を得ることなどできはしない

もし時間がないとしたら
まさに この瞬間,どうやってそれを達成する ?

たとえもし近所に 泥棒にはいりたい としても
もしすぐ隣に坐っている人の 財布をすりたいと 思っても
それですら 時間がかかるだろう
時間は ひとつの 不可欠要素だ


もしあなたが 有名になりたい と思ったら
時間が 必要だろう
もしあなたが 政治家に 力を持ちたい と思ったら
時間が 必要だろう

唯一 瞑想だけが いまのいま
真に この瞬間に,即時に達せられ得るものだ

なぜか ?

それは,それがあなたの 本性だからだ

なぜか ?

それは,それが もうすでに そこにあるものだからだ
あなたはまだ その権利を 主張してはいない
その通り
だが,それは 主張されないままに依然として そこにある
あなたは いまのいま それを主張することもできる
一瞬たりとも のがす必要はない


“・・・彼の無達成の たまものである ”

そして ニルヴァーナとは (涅槃)とは
瞑想の環が 完結したもの以外の 何ものでもない
〈神〉とは
瞑想の蕾が 花となったもの以外の 何ものでもない


これらは 達 成 じゃない
これらは まさに あなたのリアリティーそのものなのだ
あなたは幾年月にわたって 見のがし続け
幾年月にわたって 無視し続けることもできる
だが,それらを なくすことはできない
それらは あなたの内側に ちゃんと坐っている
いつ何どきにでも,目を 閉じてみたら
あなたは 笑いだすに違いない
それも
あなたは この祝福を追い求め続けてきたのだ
しかも見当違いの 場所を ーーー

あなたは〈無〉から来る こ の 安定感を 探し求めていた
ところが,あなたは それを お金や 銀行預金や
あれやこれやの中に 求めていた

そして,それは
そういうものを通じては けっして起こらなかった
それは そんなものを通じては 起こり得ないのだ

あなたの外側の 何ものにも
あなたの生を 安全にすることなど できはしない
外側というのは 危なっかしいものなのだ
どうしてそれが あなたの生を 安全にできる ?

政府に あなたの生を 安全にすることなどできやしない
なぜならば,政府そのものからして 危なっかしいのだから
革命が 来るかもしれない
銀行に あなたの生を 安全にすることなどできやしない
なぜならば,銀行だって 破産しかねない
破産(bankrupt) できるのは (bank)銀行だけだ
ほかの 誰ができる ?

あなたが愛している女の人に
あなたの生を 安全にすることなどできはしない
彼女だって 誰かほかの人と 恋に落ちかねない
あなたが愛している男の人に
あなたの生を 安全にすることなどできはしない
彼だって 死ぬかもしれない


そういったあらゆることは けっしてなくなるものじゃない
だから,あなたが 外側の安全性を 持てば持つほど
それだけ あなたは 安全でなくなる
なぜならば,あなたは
それが破産するかもしれないために 銀行をこわがるからだ
もし 何も 口座などなければ,あなたは 気にもかけない
いつでも破産するがいい ーーー

ん ? だが,もし自分の口座を持っていようものなら
あなたは 気をもむ
そうだとしたら
あなたはさらに もうひとつの 不安定へと達しているのだ
銀行が破産する という この可能性 ーーー

もうあなたは 夜も眠れない
どうなることかと 気が気でないからだ


もしあなたが 何にしろ 外側のものに 自分の信頼を置いたならば
それはなおさら 不安定を生むものだ

その人が 金持ちに なればなるほど
それだけ余計に不安定になるのは そのためだ
ただし,私は 貧乏を支持しているわけじゃない
覚えておきなさい
私は「貧乏でいろ」と 言っているんじゃない
貧しさの中に 何ひとつ神聖なものなど ありはしない
そして,私は 貧乏人が安全だ と言っているわけでもない
彼には 彼の不安がある
金持ちには 金持ちの不安がある
もちろん金持ちの不安は より複雑だ
そして貧乏人の不安は 単純だ
だが 不安は 同じ

そして私が言っているのは
貧乏でいることが 何か 特別なことであるとか
貧乏でいるのが何か とても重要で 意味のあることだとか
自分が貧乏なのは 自慢にできるとかいうことじゃない


貧乏であることは 精神性 (spirituality) とは 何の関係もない
そしてまた 金持ちであることも 精神性とは 縁もゆかりもない



(10)終わり・・・(11)へ 続く