saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第7話 ーーー 〈無〉に 帰依する (09)

…( 覚えておきなさい
この “それゆえに” というのは
つねに仏陀が シャーリプトラの〈無〉を のぞき込み続けている という ひとつの指標に ほかならない )

仏陀
シャーリプトラのエネルギーが リラックスしつつある
彼のエネルギーが もう混乱してはいないということ
思いにふけっているのではなく,ただそこに 仏陀と ともにいる
現存し,開いて
“ ご用待ち ” の状態にある ということを感じ続けている

この“ それゆえに ” は
シャーリプトラの実存の その展開を指し示しているのだ

仏陀は,どんどんと新しい花びらが開いており
いま 一歩 進むことができる
シャーリプトラを もう少し深くまで連れて行くことができるというのを 見抜いている
シャーリプトラは “いつでも来い” という状態にあるのだ


この “ それゆえに ” は 論理的じゃない
この “ それゆえに ” は 実存的なものなのだ
仏陀の中を のぞき込んで
シャーリプトラは 開きつつある

そしてシャーリプトラの中をのぞき込んで
仏陀は彼を 彼方(かなた)へ向かって もう一歩 導いてゆく用意がある
ひとつひとつの所説が さらに深く
さらに高く進んでゆく


“それゆえに” おおシャーリプトラよ,菩薩が知恵の完成に 依って,思考の被覆なしに住するのは,彼の無達成のたまものである。”


ひと言ひと言が 瞑想されねばならない

集中じゃない
注意しておく
瞑想され,耳を傾けられ,のぞき込まれねばならないのだ

熟慮されるのじゃない
思いめぐらされるのでもない

これらの事象は 思考よりもさらに高い
思考よりも さらに大きいのだ
思考などというものは
こうした領域においては 馬鹿げたものだ



(09)終わり・・・(10)へ 続く