saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第7話 ーーー 〈無〉に 帰依する (06)

…( 単純なものは あまりにも明白,あからさまで
あなたは けっしてそれを のぞき込まない )

あなたは 複雑さを追い求め続ける
複雑さというものには ひとつの挑戦がある
ある現象の,ある問題の,ある状況の複雑さは
あなたに ひとつの挑戦を与えてくれる

その挑戦の中に エネルギーが
摩擦が,闘争が やってくる
自分は この問題を 解決しなくちゃいけない ーーー

あなたは 自分がこの問題を解ける ということを表明して見せなければならない
ひとつの問題が そこにあるとき
あなたは その興奮にぞくぞくする
何かを立証する 可能性が ある ーーー

けれども
私が表明しているのは ひとつの単純な〈事実〉なのだ
それは〈問題〉じゃない
それは あなたに何の挑戦も 与えてはくれない
それは ただ単に そこにある
あなたには それを見ることもできるし
それを 回避することもできる
そしてそれは わめきたてることもない
それは あまりにも単純だ
あなたはそれを
自分の中の “静かな小さな声” と 呼ぶことさえできないほどだ
それは ささやくことすらしない
それは ただただ そこにある
あなたは それに目をやることもできるし
そうしないことだってあり得る


それを見てごらん
そして私が「それを見ろ」と言ったら
たったいま 見るのだ
即時に ーーー
待つ必要なんか何もない
「見ろ」と言ったら すぐ見る
とにかく それを見るのだ
ただし すぐに ーーー

なぜならば もし考えたりしはじめたら
もしすぐに,即時に
その何分の一秒かの間に 見なかったら
そのときには 心(マインド)が はいって来て 考えにふけりはじめるから
そして 心(マインド)は さまざまな思考を 持ち込みはじめ
さまざまな偏見を 持ち込みはじめ
あなたは 哲学的心境とやらに はいっている
たくさんの思考 ーーー

そうなると あなたは
何が 正しくて 何が 間違っているか選ばなくてはならない
そして思索が はじまっている
あなたは 実存的瞬間を のがしてしまったのだ


実存的瞬間とは いまのいまだ
ちょっと 一目 見てごらん
そして それが瞑想なのだ
その 一 目 こそが 瞑想なのだ



(06)終わり・・・(07)へ 続く