…( ひとつひとつの 消極的(ネガティブ)な ものの中に はいって行ってごらん
するとあなたは 積極的(ポジティブ)な ものを 見出すだろう ! )
そして,消極的なるものと 積極的なるものを 知ることで
第三,究極なるものが 起こる
超越的なるもの ーーー
それが〈理解〉ということの意味だ
“ ブッドゥ ”
知性 ーーー
そして,四番目の意味は 悟ること(be enlightened)
そして 悟らせる(enlighten) ことだ
仏陀は 光 (light) だ
彼は 光になっている
そして彼が光であり,光になっているがために
彼は 自然に,明らかに,ほかの人たちにも 光を示す
彼は 照明だ
彼の闇は 消え失せている
彼の 内なる炎は 明るく燃えている
その炎には 煙もない
この 四番目の意味は
暗闇や,それに相応する盲目や無知と 対照をなす
これが第四の意味だ
光になること
悟ること ーーー
普通 あなたは暗闇だ
暗闇の大陸だ
暗黒大陸
未踏の地 ーーー
人間というのは ちょっと奇妙だ
彼は ヒマラヤを探検してばかりいる
彼は 大洋を探検してばかりいる
彼は 月や火星に 手を伸ばしてばかりいる
ただひとつだけ 彼がけっして試みようとしないことがある
彼の 内なる実存を探ることだ
人間は 月に着陸した
なのに人間はまだ彼自身の実存に 着陸していないのだ
これは 奇妙なことだ
もしかしたら 月に着陸するのは ただの逃避にすぎないのかもしれない
エヴェレストに行くのは ただの逃避にすぎないのかもしれない
もしかしたら 彼は内側に はいって行きたくはないのかもしれない
ものすごく こわいからだ
彼は 気分をよくするために 何かほかの探検を 替玉にする
さもないと あなたは とてもとても ひどい罪悪感を抱かなくてはなるまい
あなたは 山に登って 気分をよくする
最大の 山は あなたの中にあるのだ !
それも 未踏のまま ーーー
あなたは 大洋の底深く 潜ってゆく
しかし,最大の大洋は あなたの中にあるのだ
それも,いまだ 測量されず
地図にも なっていない
そして,あなたは 月に向かって行く !
何という 愚かしさだろう !
そうやって 月に行くことで
あなたは あなたのエネルギーを 無駄にしているのだ
本当の月は あなたの中にある
なぜならば,本当の光は あなたの中にあるからだ
知性的な人なら まず内へ向かって行くだろう
ほかのどこへ行くよりも先に
彼は 彼自身の実存の中へ はいって行くだろう
それが 第一だ
そして それは最優先であるのが 当然だ
あなたが 自分自身を 知ったとき
はじめて あなたは ほかのどこかに行くこともできる
そうしたら,どこへ行こうと
あなたは あなたの まわりに ひとつの至福を運んで行く
ひとつの 平和
ひとつの 静寂
ひとつの お祝い ーーー
このように
四番目の意味は 悟るということだ
知性は 火花だ
助長されることによって
強調されることによって
それは 火や 光や 暖かさとなることができる
それは 光になることができる
それは 生命になるできる
それは 愛になることができる
それらは みな “悟り (enlightenment)” という言葉に含まれているものだ
悟った人 というのは その実存の中に ひとつの翳りもない
すべてが 朝のようだ
地平線には 太陽がある
夜の暗さや 夜の陰気さは 消え失せている
そして,夜の翳りも 消え失せている
大地は ふたたび目覚める
ひとりの ブッダであるということは
ひとつの〈朝〉に
あなたの中の〈夜明け〉に 達するということなのだ
それが 知性の機能だ
その究極の 機能だ
そして,“ブッドゥ” の 五番目の意味は
“ 推し測る ” ということだ
ひとつの深みが あなたの中にある
底なしの深み ーーー
それは測られねばならない
あるいは 五番目の意味は こうも言える
“貫く” こと
あらゆる邪魔物を落として
あなたの実存の まさに核心
そのハートを 貫くこと
この経典が ザ・ハート・スートラ
般若波羅密多心経 (Prajna-paramita-hrdayam Sutra)と 呼ばれているのは そのためだ
“ 貫く ” こと ーーー
(07)終わり・・・(08)へ 続く