saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第5話 ーーー 〈無〉の香り (19)

…( 六番目は 理性としての自己だ
子供は 理性の,論理の
議論の道を学ぶ )

彼は 自分が 問題を解決できるのだ ということを覚える
理性というものが
彼の 自己の大きな支えとなる
人々が議論をするのは そのためなのだ

教育を受けた人たちが
自分たちのことを “特別な誰か” だと思うのは そのためなのだ

無教育 ? ーーー
あなたはちょっと いたたまれなくなってしまう

自分は たいそうな学位を 持っているのだ
哲学博士か 文学博士か・・・

そうやってあなたは 見せびらかし続ける
自分の免状を 見せてまわる

自分は 金メダルを取った だの
自分は 大学を首席で出た だの
あれこれと 名目は 一杯ある
なぜか ?
それは 自分が理知的な存在に なった
高い教育を 受けた,最高学府を 出た
最高の教授陣に教えを受けた 理知的な存在になった ということを示せるからだ

「自分は ほかの誰よりも うまく議論できる」ーーー

理性というものが ひとつの大きな支えに なる


そして七番目は
しかるべき 努力
人生の目標
野心
立身出世
自分が 何の何がしで あり
何の何がしに なりたいのか ーーー
未来のこと
夢や 長期的な目標が 自我(エゴ)の 最終ステージで 現われてくる
そうして人は
歴史に 足跡を残すには
時という砂の上のここに 自分のサインを残すには
世の中で 何をしたらいいのかと 考えはじめる

詩人に なるか ?
政治家に なるか ?
マハトマに なるか ?
これを やるか,あれを やるか ? ーーー
人生は 駆け足で 過ぎ去ってゆく
あっと いう間に すり抜けてゆく
人は 何かをやらなければ ならない
さもなければ,やがて無に帰ってしまって
誰ひとり あなたが存在したことなど 知りもしなくなるだろう
人は ひとりのアレキサンダーに なりたくなる
あるいは ナポレオンか
もし可能であれば 人は 好人物になりたい
有名で 知らない人などいない ひとりの聖人
ひとりの マハトマ ーーー

もしそれが 可能でないとすると
そのときも とにかく,人は “特別な誰か” に なりたい



(19)終わり・・・(20)へ 続く