saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第4話ーーーQ&A 最初の質問 (03)

…( それでもインド人は 自殺を犯さない
彼らは 生き続ける
彼らは 人生を 楽しんでいるのだ
乞食たちでさえも ワクワクして興奮している
興奮するべきことなど 何ひとつあるわけじゃない
しかしなお,彼らには希望がある )


なぜアメリカで 自殺がそんなにも 起こっているのだろうか ?
人生の 当たり前の問題は 消え失せてしまった
心 (マインド)には,当たり前の意識から より高く舞い上がる自由がある
心 (マインド)は 肉体を越えて
心 (マインド)それ自身を越えて 舞い上がることができる

意識は いまにも羽を広げて 飛び立とうとしている
なのに,社会はそれを 許そうとはしない

10人の自殺者のうち,ほとんど 9人までが 敏感な人たちだ
人生の 無意味を見抜いて
人生が押しつけてくる 屈辱を見抜いて
人が まったく つまらないことのために しなければならない妥協を見抜いて
彼らは 肉体を処分してしまおうと 決心する

もし彼らが 肉体に羽を持つことができたとしたら
彼らだって そんな決心はしないことだろう
そうしたら,自殺には もうひとつ別の意義が出てくる
それは理解されねばならないことだ


人生においては,何もかも平凡で 模倣的であるように思われる
あなたは ほかの人たちが持っていないような車を 持つことはできない
何百万という人たちが
あなたが持っているのと同じ車を持っている
何百万という人たちが
あなたが生きているのと 同じ人生を生きている
同じ写真や 同じ映画を見
あなたが見ているのと 同じテレビを見
あなたと 同じ新聞を読んでいる
人生は あまりにも平凡だ
あなたが やれる
あなたが なれるユニークなものなど 何ひとつ残っていない

自殺というのは ひとつのユニークな現象に見える
あなた自身のために死ねるのは あなただけだ
ほかの誰ひとりとして あなたのために死ぬことはできない
あなたの死は あなたの死であって ほかの誰の死でもあるまい
死は ユニークなのだ !


その現象を見てごらん
死は ユニークだ
それはあなたを ひとりの個として確立してくれる
それは あなたに 個性を与えてくれる
社会は あなたの個性を 奪ってしまった
あなたは その歯車の 一部でしかない
交換可能だ
もしあなたが死んでも 誰も困りはすまい
あなたは 交換されるだけだ

もしあなたが 大学教授だとしたら
また別な人が その大学教授に なるだろう

たとえ もし あなたが 一国の大統領だとしても
また別な人が その国の大統領になるだけだ
即座にね !
あなたが いなくなったその瞬間にーーー

あなたは 交換可能なのだ


これが あなたを傷つける
自分は たいした価値がない
自分が いなくなっても困らない
ある日 あなたは消え失せ
そして,やがて あなたのことを覚えている人たちも 消え失せてしまうだろう
そうしたら,あなたなど 一度もいたことがなかったようなものだ

ちょっと その日のことを思ってみてごらん

あなたは 消え失せる
そう,数日の間 人々は覚えているだろう
あなたの恋人は あなたを覚えているだろう
たぶん 友だちの 何人かもーーー
が,だんだんと 彼らの記憶も薄れてゆく
微かになって 消滅しはじめる
それでも,たぶん
あなたがある種の親交を持っていた人たちが 生きている間は
ときたま あなたを思い出してもらえるときは あるだろう
しかし,彼らも また いなくなってしまったら
そのときには・・・
そのときには あなたは ただただ消え失せてしまう
あたかも 一度も ここにいたことがなかったようなものだ
ここにいたことが あっても なくても 何の違いもない


生は あなたに ユニークな敬意を 払ってくれない

それは とても屈辱的だ
それは 自分が ただの歯車の 一部分になってしまう
巨大なメカニズムの 一部になってしまう という苦境へと
あなたを 追いつめてゆく
それは あなたを 匿 名 に してしまうのだ


死は 少なくとも ユニークだ
そして自殺は 死よりも さらに ユニークだ
なぜか ?
死は やって来る
けれども,自殺は 何か あ な た が やることだからだ
死は あなたを 越えている
それが来るとき それは来る
けれども,自殺ならば あなたが操作できる
あなたは ただの犠牲じゃない
自殺ならば あなたが やりくりできる
死については あなたは ひとりの犠牲者でしかない
自殺については,あなたがコントロールを握っている

誕生は すでに起こってしまった
いまとなっては,あなたは それについて どうすることもできない
そして,生まれてくる前
あなたは 何をしたわけでもない
それは ひとつの偶然だった


人生には 生命力に満ちたことが 三つある
誕生と,愛と
そして 死だ

誕生は 起こってしまった
それについては どうすることもできない
あなたは あなたが 生まれたいかどうか 聞かれることすらも なかった
あなたは ひとりの 犠牲者なのだ

愛も また 起 こ る
あなたは それについて どうすることもできない
あなたは 無力だ
ある日,あなたは誰かと 恋に落ちる
あなたは それについて どうすることもできない
たとえ誰かと 恋に 落ちたくても
あなたに それを操作することはできない
それは 不可能だ

そして,あなたが 誰かと 恋に落ちてしまったら
たとえ それを 望まなくても
たとえあなたが 自分自身を 引き戻そうとしても
それもまた 難しいことのように 思われる
誕生は ひとつのハプニングだ
愛も またしかり
いまや,それについて 何かがなされることとしては 死しか残っていない
あなたは 犠牲者にも なれるし
自分自身で 決断することもできる


自殺をする人というのは,こう決断しているのだ
こう言っているのだ
「自分が ほとんど偶然でしかなかったような この存在の中で
自分にも 少なくとも ひとつは やらせてくれ
自分は 自殺を犯すぞ
少なくとも ひとつぐらいは,自分にだって できるんだ ! 」

誕生は や る ことは 不可能だ
愛も,それがないのを 無理に つくり出すわけにはいかない
だが,死は
死には 二者選択が ある
あなたは犠牲者にもなれるし,決め手にもなれる


この社会は あなたから 一切の尊厳を奪ってしまった
人々が 自殺するのは そのためだ
自殺を犯す ということが 彼らに 一種の尊厳を 与えてくれるからだ
彼らは 神に向かって
「私は あなたの世界と あなたの生を 放棄しました
それは値打ちのないものでした ! 」と 言うことができる

自殺を犯すのは,ほとんど 必ずと 言ってよいほど
足を引きずるように生き続ける ほかの人たちよりも ずっと敏感な人たちだ
ただし,私は あなたに自殺をしろと 言っているわけじゃない
私が言っているのは,より高次の 可能性がある ということなのだ
生の あらゆる瞬間は,本当に すばらしく
個性的で,非模倣的で,非反復的なものであり得る
あらゆる瞬間は 本当に尊いものであり得る

そうしたら,自殺を犯す必要など 何もない
あらゆる瞬間が 限りない祝福をもたらし得る
そして,あらゆる瞬間が あなたをユニークなものとして確立させ得るのだ
なぜならば,あなたは ユニーク な の だ か ら !

いままで 一度として あなたのような人は いなかったし
これからも 一度として いないだろう


しかし,社会は 強制的に あなたを大軍団の 一員にしようとする
社会というものは 自分自身の道を行く人を 決して好まない
社会は あなたに〈群衆〉の ひとりで いてほしい



(03)終わり・・・(04)へ 続く